環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第1部第4章>第8節 三陸復興国立公園を核としたグリーン復興

第8節 三陸復興国立公園を核としたグリーン復興

グリーン復興プロジェクトの一つである「みちのく潮風トレイル」は、三陸復興国立公園を縦断しながら、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐ長距離自然歩道として、地域の方との協働により路線の設定を進め、2013年から区間ごとに順次開通し、2019年6月9日には全長1,025kmに渡るルートが全線開通しました。2020年度においては、将来にわたりトレイルを持続的に運用していくため、沿線地域におけるハイカー受入体制強化の取組や、トレイルの利用を促進するためのウォークイベントの開催、普及啓発展示イベントを実施しました。

震災の影響や震災以降の自然環境の変化状況の把握を目的に、過年度に実施された自然環境調査の取りまとめを行うとともに、最新の状況を把握するための現地踏査を実施した上で、調査結果の活用方法や今後の調査実施計画を含む、2021年度以降の自然環境調査の実施方針を作成しました。また、生物多様性センターが運営する生物情報収集・提供システム「いきものログ」を利用し、身近な生きものへの震災の影響を把握するための市民参加型調査「しおかぜ自然環境調査」を継続実施しました。

三陸復興国立公園の主要な利用拠点やみちのく潮風トレイルにおいて、防災機能を強化しつつ、被災した公園利用施設の再整備や観光地の再生に資する復興のための整備を推進しました(図4-8-1)。また、青森県、岩手県及び宮城県内での三陸復興国立公園の整備について、自然環境整備交付金による支援を行いました。

図4-8-1 三陸復興国立公園における取組の様子