環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成27年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第2部>第6章 各種施策の基盤、各主体の参加及び国際協力に係る施策>第1節 政府の総合的な取組

第6章 各種施策の基盤、各主体の参加及び国際協力に係る施策

第1節 政府の総合的な取組

1 環境保全経費

 政府の予算のうち環境保全に関係する予算については、環境保全に係る施策が政府全体として効率的、効果的に展開されるよう、環境省において見積り方針の調整を図り、環境保全経費として取りまとめています。

 平成27年度予算における環境保全経費の総額は、前年度比5.2%増の1兆8,069億円となりました。主な特徴として、東日本大震災からの復興につなげるため、放射性物質により汚染された土壌等の除染の着実な実施のための予算を大幅に増額したほか、引き続き中間貯蔵施設の整備等に係る予算、放射性物質に汚染された廃棄物の処理に係る予算などを措置しており、「放射性物質による環境汚染の防止」に係る予算が大幅に増額されたことが挙げられます。

2 政府の対策

(1)環境基本計画の進捗状況の点検

 中央環境審議会は、環境基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検し、政府に報告しています。平成26年は、第四次環境基本計画の第2回目の点検として、「経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進」、「国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進」、「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進」、「地球温暖化に関する取組」、「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組」、「物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組」、「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」の分野及び放射性物質による環境汚染からの回復等における施策の進捗状況を点検しました。その点検結果については、26年12月の閣議において報告しました。

 「第2回点検結果」http://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/plan/plan_4_check.html

(2)予防的な取組方法の考え方に基づく環境施策の推進

 化学物質による健康や生態系への影響、地球温暖化による環境への影響など、環境問題の多くには科学的な不確実性があります。しかし、一度問題が発生すれば、それに伴う被害や対策コストが非常に大きくなる可能性や、長期間にわたる極めて深刻な、あるいは不可逆的な影響をもたらす可能性があります。このため、環境影響が懸念される問題については、科学的証拠が欠如していることを理由に対策を遅らせず、知見の充実に努めながら、予防的な対策を講じるという「予防的な取組方法」の考え方に基づいて対策を講じていくべきです。この予防的取組は、第四次環境基本計画においても「環境政策における原則等」として、位置付けられており、様々な環境政策における基本的な考え方として取り入れられています。関係府省は、第四次環境基本計画に基づき、予防的な取組方法の考え方に関する各種施策を実施しました。