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保全活用に関する文献検索

文献名
栃木県茂木町の水田と畑地におけるイノシシ被害地点と周辺環境特性
出版年
2010
出版社
日本哺乳類学会
掲載雑誌
哺乳類科学
巻/号/ページ
50巻 / 2号 / 129-135ページ
著者名
野元加奈、 高橋俊守、 小金澤正昭、 福村一成
Kana Nomoto、 Toshimori Takahashi、 Masaaki Koganezawa、 Kazunari Fukumura
目次
雑誌のため省略
キーワード
記載なし
要約
近年、イノシシ(Sus scrofa)による農作物被害が被害面積、被害量共に増大して深刻な社会問題となっている.被害地における農作物や周辺の環境との関係を把握し、被害の発生に影響を及ぼす要因を解明することができれば、被害対策を効果的に行うことができると考えられる.そこで本研究では、イノシシ被害を受けた農地を水田と畑地に大別し、被害地点と周辺環境特性の関係を明らかにすることを目的とした.栃木県茂木町が2007年度に実施した被害作物、被害時期、被害地点等の情報を含む、2007年度イノシシ被害調査による491件のGISデータを使用して分析を行った.農地を水田と畑地に大別し、被害地点と同数のランダムデータを発生させ、林縁や河川からの距離、被害地点後背の森林面積等、被害地点の環境特性を示す変数を説明変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った.この結果、水田における被害地点は林縁からの距離と一級河川からの距離、その一方で畑地における被害地点は耕作放棄地からの距離、住宅等の建物からの距離と後背森林面積がそれぞれ主要な環境要因として選択された.被害地点の周辺環境特性は水田と畑地によって異なることが明らかになり、イノシシによる被害対策には農地と周辺環境を同時に考慮した対策を見出す必要性があることを示した.

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