ページトップ
環境省自然環境・生物多様性里なび事例・文献データベース文献検索 > 文献詳細

里なび

ここから本文

保全活用に関する文献検索

文献名
コモンズをささえるしくみ:レジティマシーの環境社会学
出版年
2006
出版社
新曜社
掲載雑誌
書籍のため省略
巻/号/ページ
書籍のため省略 / 書籍のため省略 / 254ページ
著者名
宮内泰介(編)
記載なし
目次
序 レジティマシーの社会学へ/1 地域性 漁業権の正統性とその変化/2 歴史性 「歴史」をつくる人びと/3 シナリオ力 写されたシナリオの正統性と更新/4 発言力 土地への発言力/5 共同性・創造性 共同性を喚起する力/6 感性 音環境の共有/7 当事者性 当事者はだれか?/8 環境正義 環境正義と公共性/9 公と私 墓地山開発と公共性
キーワード
記載なし
要約
本書はコモンズの議論を自然環境に限らず公園・景観・町並み・都市近郊林などに対象を広げ、コモンズの議論を通して「公共性」を現場に即した形で議論している。コモンズや公共性の議論をするとき、レジティマシーの立ち上がり方が大事なポイントになることを明らかにし、さらに、その立ち上がり方を様々な現場に即して議論している。各章では事例とともにキーワードが導き出されている。第1章では漁業権が時代とともに揺らぐ姿を描き、新たな「地域性」をもとにレジティマシーが獲得されたと論じている。第2章では石川県加賀市片野鴨池を事例に鴨猟のレジティマシーを獲得するために作り上げられた「歴史性」の存在が指摘されている。第3章では四国八十八箇所の模倣である「写し巡礼地」を取り上げ、由来や歩き方などの「シナリオ」が時代の中で柔軟に変化できたという「シナリオ力」によってレジティマシーを確保してきたと主張している。第4章では阿蘇の草原をめぐって、地元の畜産農家たちやリーダーたちが「発言力」を持つ仕組み、つまりレジティマシーを持つに至った仕組みについて論じている。第5章では北海道帯広市のヌップク川を事例に、新住民と旧住民の「共同性」、新たな価値の「創造性」によってレジティマシーが獲得されてきたと主張している。第6章では京都の西陣地域の織機の音がいつのまにか「感性」としてレジティマシーを獲得したと論じている。第7章ではナマコの資源管理について「誰が当事者なのか」という「当事者性」の問題を取り上げている。第8章では、不法占拠地域地域のマイノリティ・グループについて、レジティマシーが戦略的に組み立てられたこと、第9章では墓地が宅地開発される問題を通して「<私情>に発する公共性」が議論されている。

ページトップへ

← 文献検索トップへ戻る