ページトップ
環境省自然環境・生物多様性里なび事例・文献データベース文献検索 > 文献詳細

里なび

ここから本文

保全活用に関する文献検索

文献名
図師小野路歴史環境保全地域 : 新たな谷戸管理手法の確立を目指して(<特集>里山と人・新たな関係の構築を目指して)
出版年
1998
出版社
雑誌のため省略
掲載雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌
巻/号/ページ
61巻 / 4号 / 312-313ページ
著者名
斉藤勝成
記載なし
目次
雑誌のため省略
キーワード
記載なし
要約
「谷戸」とは、丘陵部に刻み込まれた浅い谷を指し、谷に向かって傾斜した集水域と谷戸頭からの湧水によって涵養される湿地で構成される。谷戸周辺の自然は、地形に対応した小規模な農業形態との緊密な関わりの中で長年十分に管理されてきた。また、この人の活動が谷戸の環境を一定に保ち、その環境に適した生き物群の生息を定常的に担保してきた。しかし現在では、社会情勢の変化により谷戸は放置され、環境及び生物の多様性を失いつつある。そこで、ここでは、保全地域における谷戸の管理手法調査を行い、実現可能な谷戸管理のあり方を検討した。結果、管理方針として、生物多様性が確保されること、その結果として良好な谷戸景観の維持・保全が図られること、水環境の保全に重点をおくことが挙げられた。また、その日常的な管理作業を担う管理主体としては、環境を熟知する地域農業従事者が望ましいことが指摘された。以上を検討したうえで図師小野路歴史環境保全地域において実際に新たに構築された谷戸管理の取り組みでは、効率的かつ効果的な作業が実施された結果、従来からの水辺の復元と谷戸本来の風景の拡張、多様な生物群の回復が見られた。今後も、豊かな自然の創出をめざし、管理成果を検証しつつ、管理内容の修正を行いながらより適切な管理が実行され、また、それらが将来、谷戸に留まらず、里山全体の自然環境保護管理に発展することが望まれる。

ページトップへ

← 文献検索トップへ戻る