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里なび
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保全活用に関する文献検索
- 文献名
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思想形成と森林
- 出版年
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2007
- 出版社
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文永堂
- 掲載雑誌
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佐々木惠彦・木平勇吉・鈴木和夫編、森林科学
- 巻/号/ページ
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書籍のため省略 / 書籍のため省略 / 200-214ページ
- 著者名
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井上真
記載無し
- 目次
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書籍内の一部のため省略
- キーワード
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記載無し
- 要約
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森林を対象として形成されてきた思想と、現在どのような思想が森林で生み出されつつあるかを概観する。まず宗教が森林などの自然をどのように観ているか示す。仏教やヒンズー教、神道が人間社会を自然との調和に導く投下となりうる思想性を有している一方、キリスト教やイスラム教の思想は人間の傲慢さを助長し、自然破壊をもたらすものであるかに見える。これが是か非かを分析するために各宗教の自然観を概観し、仏教やヒンズー教では自然が客体化されていないために、意識的に管理対象になっていないと論じる。一方でキリスト教などの一神教では神と契約した義務として、人間は自然を適切に管理しなければならない。現在社会では、西洋的自然観の方が実践的な規範となりやすいと結論する。次にドイツとアメリカで林学者などの専門家によって形成された思想を概観する。それに基づき、自然に関する専門家と非専門家との関係性に着目し、日常生活において行われる自然への働きかけや、環境保全活動において生じている思想のずれについて考える。例として林学教育を受けた「フォレスター」を取り上げ、その森林至上主義の認識枠組みを「フォレスターの視座」と呼ぶ。これに対し森林地域住民の、生活を第一に考え、自らによる森林の管理を望む考えを「森林地域住民の視座」とする。どちらか片方だけでは不完全で、多様な利害関係者による民主的なコントロールが必要と結論する。さらに新しい思想としてコモンズを巡る「協治」「開かれた地元主義」を取り上げ、地域の自然を管理する、有志「素民」によるシステムと組織、ネットワークを提言する。
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