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文献名
山菜採りの社会誌 資源利用とテリトリー
出版年
2003
出版社
東北大学出版会
掲載雑誌
書籍のため省略
巻/号/ページ
書籍のため省略 / 書籍のため省略 / 204ページ
著者名
池谷和信
Kazunobu Ikeya
目次
第1章 自然環境利用型の生業とテリトリー制/第2章 ポリティカルエコロジーの枠組み/第3章 山村における商品経済化と採集経済の成立/第4章 ゼンマイ採集の生態と資源利用-新潟県朝日村三表の事例-/第5章 採集者の環境認知と採集テリトリー/第6章 ゼンマイ採集空間の分割-福島県只見町蒲生の事例-/第7章 結論
キーワード
記載なし
要約
本書は、現代では急速に数少なくなりつつある日本の自然従事者の生態学的な記録になっていると同時に、人類におけるテリトリー制の変化とその形成に関する新たな理論を提示している。第1章では、自然依存型生業における資源利用とテリトリー制に関する既存研究の展望を行う。第2章では、本書が採用した一つの視角であるポリティカルエコロジーについて概観する。第3章から第6章までは、東北日本の「採集集落」を対象にしての採集活動の事例である。まず日本の山村のなかでの「採集集落」の地理的特性を位置付けた後に、多雪地帯の山村・三面での採集経済を対象にして、ゼンマイ生産がいつ、いかにして商品経済化されたのかを把握する(第3章)。次に、ゼンマイ採集がいかにして積雪量などの自然の変化に対応しているかを採集行動への参与観察から明らかにする(第4章)。さらに、ゼンマイ採集の生態的適応のみならず採集テリトリーにみられる社会的および心理的適応について考察し、あわせて、ゼンマイ資源の採集テリトリーの変容とその要因をも検討する(第5章)。また一方で、三面とは異なる資源管理の形態として、福島県蒲生を事例にして採集空間を分割する分割型テリトリーの事例を報告する(第6章)。第7章の結論では、本書が課題とした自然環境利用型の生業における資源利用およびテリトリー制の変容のあり方を、ポリティカルエコロジーの観点からまとめる。とりわけ、テリトリー制の形態の違いが生まれた要因を考察する。

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