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保全活用に関する文献検索

文献名
谷津田の自然とアカガエル
出版年
1995
出版社
朝倉書店
掲載雑誌
大沢雅彦・大原 隆編、生物-地球環境の科学-南関東の自然誌
巻/号/ページ
書籍のため省略 / 書籍のため省略 / 105-112ページ
著者名
長谷川雅美
記載無し
目次
書籍内の一部のため省略
キーワード
記載無し
要約
本稿は、カエルという生物の視点から谷津田の自然のありようを紹介する。谷津田とは、谷津とよばれる地形(谷)の谷底が水田として利用されている場所である。地形条件から農家にとっては排水不良の水田であったが、その水の豊かさゆえ豊かな生物相を支えてきた。ニホンアカガエルにとっては、その集水域に十分な森林をもった湿田が重要な生息場となる。これは、湧き水の豊かな湿田が産卵場となるため、変態後の陸上生活の場が確保されるためである。湿田と周囲の森林をともに利用する生物種は両生類に限らず数多く、それらの捕食者も生息するため、谷津田の生物相は極めて豊かである。圃場整備や宅地化による水田の孤立、耕作放棄といった人為的影響は、アカガエルの産卵数を大きく減少させた。ヘビ類の目撃頻度もアカガエルの産卵数と相関をみせた。両生類相の貧困化は、地域生態系の生物学的多様性の低下をもたらす。稲作と密接に結びついた自然環境をいかに保全していくか、今後ますます重要性が増すだろう。

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