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里なび

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保全活用に関する文献検索

文献名
里山のこと
出版年
2000
出版社
雑誌のため省略
掲載雑誌
関西自然保護機構会誌
巻/号/ページ
22巻 / 1号 / 71-77ページ
著者名
四手井綱英
Shidei Tsunahide
目次
雑誌のため省略
キーワード
記載無し
要約
「里山」という言葉を創ったのは、農用林を一般の人に説明する場合に、農用林の替わりにわかりやすい言葉がないか、と考えたのがきっかけである。村里や町から離れた山や森の呼び方としては「遠山」「奥山」などがある。しかし、農用林のように、人の住む処に隣接した森林を何と呼べばいいか?そこで農用林を里山と呼ぼうと提案した。それが一般の人にも広まった。里山はどんな森林かというと、農民の働きかけが強い二次林で、主な植生は落葉広葉樹林とアカマツ林、即ち雑木林と言ってよいだろう。特にさて、現在、里山の多くは農業と関係がなくなってしまった。最大の原因は農業において、化学肥料が広まり、里山が供給する肥料にたよらなくなったことである。しかし、市民に親しみがある森林景観は里山を覗いてあり得ない。一方、生態学者には極相林としての照葉樹林を尊重するあまり、二次林を軽視する人がいた。彼らは照葉樹林のシイやカシの人工植生を奨励した。しかしこれは天然の照葉樹林とは異なる、多様性の低い森林になってしまった。落葉樹も生育する森が本来の照葉樹林である。

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