南極の自然と環境保護

南極の自然環境その1

南極地域の景観

南極では巨大な山脈や氷河、氷山といった雄大な景観に加え、大気密度の違いや大気中を漂う氷晶などによって、太陽や月の光が反射、屈折などを起こすことで発生する色鮮やかな大気光学現象が多く見られます。また、南極昭和基地では、白夜が終わる2月下旬頃からオーロラが見え始めます。

ホノール氷河

ホノール氷河

卓上型(テーブル)氷山 棚氷に由来する

卓上型(テーブル)氷山 棚氷に由来する

カーテン状オーロラ

カーテン状オーロラ

氷山の蜃気楼と太陽が重なると、太陽が四角に見えることがある。

氷山の蜃気楼と太陽が重なると、太陽が四角に見えることがある。

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海洋

南極を取り巻く海は、南極海、南氷洋、南大洋等と呼ばれています。その海水温は、海洋に流れ込んだ氷が海水を冷やし、また氷の上のマイナス数十度という冷たい空気が海水面を冷やすため非常に低くなっています。また、南緯40度〜60度では強い偏西風の影響で海が荒れることで有名ですが、生物量の非常に多い豊富な海洋資源を持つことでも知られています。

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雪氷

南極大陸の大部分は平均の厚さ約1,900m・最大の厚さ約4,800m・面積約1,400万km2・体積約2,500万km3の氷の塊に覆われています。

南極大陸に降る雪が押しつぶされて氷となり、その氷は、内陸部から沿岸部に向けて年間10m程度といったゆっくりした速度で動いており、最後には海洋に流れ込んだり、大気中に昇華します。また、海洋に流れ込んだ氷は海氷を発達させ、その氷の下は水分の凍結により海水に含まれた栄養塩が濃縮された栄養豊富な環境を形成しています。

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大地

何万年もの間、融けることのない氷に覆われている南極ですが、氷の下には変化に富んだ複雑な地形が存在すると言われています。大陸を東西に隔てる南極横断山脈の東側を東南極、西側を西南極と呼びますが、西南極のほとんどの大地は海抜0mより下にあります。また、まったく雪や氷がなく、岩盤や土壌が露出している場所も存在します。

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大気・空

南極大陸は高緯度にあり、平均的な太陽高度が低いため、地表へ届く太陽放射エネルギーの量が少ない上、太陽放射エネルギーの大半を反射してしまうことから、温まりにくい環境となっています。さらに、平均標高が2000m程度もあるため極寒の地となっており、内陸のボストーク基地では、最低気温−89.2度を記録しています。

また、南極地域は文明圏から離れていることにより、空気中に含まれる微小物質が少ない事も知られています。

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生物

南極地域の生物は、その多くが海域、沿岸域に生息・生育します。南極の海では、海底から湧き上ってくる栄養分を利用して爆発的に増殖した植物プランクトンがナンキョクオキアミに食べられ、オキアミはクジラやペンギン、アザラシといった南極を代表する生物たちの餌となっています。陸上では鳥類の排泄物等を養分としてコケ類や地衣類が生育しています。南極地域の生態系は、他の温暖な海域の生態系に比べると生物量は多いものの、生物種数が少ないため、一部の生物の変動が生態系全体に大きな影響を与えるものと懸念されています。

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