赤目紅葉荷担滝
名張市は、三重県北西部に位置し、北東に伊賀市、南東に津市に接し、西と南は奈良県と接しています。
市域の面積は129.76平方kmで、東西に約10.6km、南北に約13.1kmとなっています。
また、本市は大阪市へ約60km、名古屋市へ約106kmの距離にあり、近畿圏と中部圏の両圏域の結節点に位置するという立地特性を有しています。
古くは万葉の時代から東西往来の要所、宿場として栄えてきた名張市は、商業・業務施設の集まる中心市街地を中心に、周囲を山地に取り囲まれた盆地を形成しています。周囲の山地には、日本の滝百選、森林浴の森日本100選や平成の名水百選に選定された「 赤目四十八滝 」や「 香落渓 」などがあり、自然豊かな景勝地に恵まれています。また、名張川をはじめ、 宇陀川 、 青蓮寺川 など幾筋もの下線が市内を流れ、四季折々の美しい景観を創出しています。さらに、本市は記紀(きき:古事記と日本書紀の総称)にその名が登場するとともに、能楽の始祖 観阿弥 が初めて座を興した地としても知られ、歴史と文化の薫り高いまちでもあります。
名張市の観光施設等における延べ入込客数は、全体的に観光レクリエーション入込み客数が減少傾向にあり、その背景には、新たな観光ニーズへの対応の遅れなどが考えられます。
また、本市を所在地とする就業者数の推移は、平成12年から減少に転じ、産業大分類別では、第1次産業への就業者数が年々減少してその割合はごくわずかである一方で、第3次産業への就業者が年々増加し多くの割合を占めるなど、本市の自然観光資源を守り育む環境が厳しくなっています。
こうした現況をふまえ、本市では早くから、エコツーリズムを注目し検討を重ねています。また、平成19年度より赤目四十八滝渓谷保勝会において、エコツアーが開始されています。
これらを背景に、本市では観光振興策の柱として、エコツーリズム推進の取組を進めていきます。今後、各地域特性を最大限に活用した様々なメニューの創出に努め、エコツーリズムの推進を図ることとしています。
名張の自然や万葉の時代から始まる歴史・文化、地域の資源を活かした取組、話題性のある情報発信などを通じ、「観光振興」に関する総合的な取組を、「名張市産業振興ビジョン(平成21年3月)」との整合を図りつつ、次の基本方針に基づき進めます。
名張市エコツーリズムの推進によって目指す地域の姿を次のとおり定めます。
目指す地域の姿
「おおきに」地域の宝で広げる笑顔の輪
考え方
地域住民及び観光客双方の視点にたって、名張市におけるエコツーリズム推進により目指す姿を表現したものです。各言葉に込めた想いは次のとおりです。
『 おおきに』…地域住民にとってはエコツーリズム推進による観光客や地域活性化への感謝の想い、観光客にとってはエコツアーの企画・提供への感謝の想い、そしてお互いにエコツアーを通じて自然環境への感謝の想いを共有したい旨を表したものです。
『 地域の宝』…市内の各地域で掘り起しが始まっている地域資源や、名張市が室生赤目青山国定公園に含まれる包括的な意味での地域資源が、観光客及び地域住民双方にとっての宝である旨を表したものです。
『 笑顔の輪』…地域住民及び観光客がエコツアーへの参画を通じて、地域資源を互いに再認識或いは発見し、地域住民は地域への誇りやおもてなしの心の醸成、観光客は歓喜や再来訪意欲の高揚などにつながることを表したものです。
エコツーリズムの推進により目指す地域の姿を実現するため、エコツーリズムの基本方針を次のとおり定めます。
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