議長:高橋進(共栄大学教育学部 教授)
副議長:Clarissa C Arida(アセアン生物多様性センター)
生物多様性の保全や自然遺産の保護、さらには地球温暖化の防止のために、保護地域は重要な役割を担っている。これらの機能を十分に発揮させるためには、各国での保護地域の充実だけではなく、周辺各国あるいは世界的な協力が重要である。特に寒冷な地域から熱帯までの多様な自然を有する一方で、発展途上国も多いアジア地域においては、国境を越えた取り組みとともに、援助を含めた国際的な連携が求められる。本ワーキンググループでは、保護地域の拡充と管理強化のため、隣接周辺諸国との連携の観点から、国際条約や国際援助などの世界的な連携の観点まで、幅広く多様な保護地域に関する国際連携の現状と課題を検証し、アジア地域における今後の国際的な連携のための新たな枠組みを展望する。
シームレスな生態系・自然も、人間の都合により国境で分断されて、それぞれ異なる管理や利用がなされてきた。これら国境を越えた生態系などの保護地域の設定・管理のためには、隣国など周辺国との連携が重要である。しかしながら、政治的な障害を含め、地域連携を推進するためにはさまざまな困難も存在している。このサブテーマでは、周辺国など地域的な連携による保護地域の設定促進と管理強化を図るため、先進事例の紹介や課題についての共通理解を深めることにより、アジアにおける保護地域にかかる地域連携を促進することを目的とする。
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生物多様性や景観などの保全のため、ラムサール条約、世界遺産条約をはじめとする多くの国際条約やUNESCOのMAB計画などの国際的制度、及び保全活動を実施している国際機関・団体が存在する。しかしアジア諸国のなかには、これらの条約などに未加盟か、加盟していても登録地などが不十分なものも少なくない。このサブテーマでは、アジアの保護地域に関連する条約などの国際的な枠組みの現状と今後の展開について議論し、国際的な枠組みの強化に資することを目的とする。
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保護地域の設定・管理には、生態調査などの技術を含め、多くの予算と技術、人材が必要である。一方で、多くのアジア諸国は発展途上にあり、保護地域の管理などに十分な予算を投入することもできず、またいわゆるペーパーパーク(paper park)と呼ばれるような不十分な管理状況の保護地域も多い。このため、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)などをはじめ、先進各国の国際援助機関が保護地域の援助活動を実施してきた。このサブテーマでは、これら国際援助や人材養成のための研修などをさらに発展させるための事例研究などを行う。
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保護地域に関する国際連携をさらに促進し、保護地域の拡充と管理強化を図るためには、上記のサブテーマでの事例のほか、さらに新たな枠組みも求められる。このサブテーマでは、今後のアジア地域の保護地域にかかる国際連携の枠組みについての提案、あるいは推進に当たっての課題などを議論する。
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