議長:海津ゆりえ(文教大学教授/NPO法人日本エコツーリズム協会理事)
副議長:姜 美姫(韓国エコツーリズム協会理事)
変化に富んだ多様な環境をもつ一方、自然資源の保護上の課題を多く抱えるアジア各国では、持続可能な開発のための教育(ESD)の重要性への認識が近年高まりを見せている。また、保護地域周辺住民の生計を支える手段としての観光、とくにエコツーリズムへの取組も活発化している。アジア諸国の自然保護地域での観光は、地域の暮らしと密接な関わりをもつ自然を題材にするものや、コミュニティと近接した地域で実施されるものが多いが、同時にそれは開発と保護の境界線上にある利用であることを意味する。また、一方で、原生的な自然を対象としたツアーも行われており、自然の攪乱に対する配慮が必要である。このワーキンググループではアジアにおける観光と環境教育の実態の共有と今日的課題を取り上げる。沿岸域を中心とした海域における観光も対象とする。
自然保護地域における観光や環境教育は、その価値を活用し、ツーリストや環境教育の対象者に広く知らせる手段であると同時に、その保全と継承に深くかかわる活動である。それでは活用面からみた自然保護地域の資源性とは何か。また利用に関する空間計画はどうあるべきか。このテーマでは、保護地域ならではの観光やESDへの資源の評価、活用プログラムの多様性、活用に際しての計画論等を扱う。アジア諸国の保護地域で実践されているエコツーリズムやESDの具体的プログラムの多様性と最新事例の共有を図る。
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このテーマでは、現在の情報通信テクノロジー(ICT)の進歩が保護地域の資源管理及び情報発信にどのような進化をもたらしているかを問う。情報通信テクノロジーと保護地域の関わりを二つの側面でとらえる。一つは保護地域の保全に必須であるモニタリング等の管理の側面、もう一方は資源や環境のリアルタイムな発信による保護地域のプロモーション等の活用の側面である。
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保護地域における観光の発展は、地域の持続的発展に貢献するが、ともすると新たな開発による自然環境の破壊や周辺地域社会の変容を招くというパラドックスを包含する。保護地域及び周辺地域において、観光による地域発展と自然保護のバランスの維持を実現するにはどうすればよいか。多くの地域が抱えるこの課題を巡り、現状と解決策を議論する。
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保護地域におけるエコツーリズムがコミュニティや地域に効果をもたらすことは、保護地域の活用を促すうえで地域にとっての必須事項であるが、その市場性や経済効果等に関する実態把握が進んでいるとは言えない状況である。このテーマではエコツーリズムの経済的効果、社会的効果、資源保護効果、コミュニティの持続等に対してどのような効果を与えているのかを問う。
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保護地域における優れた自然体験は、青少年の健全な心身の育成に多大な効能がある。このテーマでは、アジアの保護地域において取り組まれている、青少年の対する自然体験プログラム、環境教育プログラムの事例や、青少年に対する有効な広報伝達方法などをとりあげ、青少年の自然体験活動を増加させるための方策について議論を行う。
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