一般職事務系(大卒程度):鈴木さんへのインタビュー
- 鈴木 尚子(すずき なおこ)さん
- 【プロフィール】
水・大気環境局総務課庶務文書係 現職
平成18年8月II種行政合格
平成19年4月環境省採用
(本省・総合環境政策局環境保健部企画課保健業務室調査係 配属)
環境省を志望した理由は?
まず、福島県に住んでいたので、周りに田んぼがあって自然環境が身近なところで育ちました。ちょうど中学生の頃に環境問題が注目されてきて、興味を持ったというのが一つあります。あと、環境問題というと、分野としては地理であったり気候であったり、理科全般というイメージがあって、そういった分野を総合的に見るところがすごく面白いなと思い、学問として環境問題に興味を持った、ということもあります。大学でも環境問題をやろうと思って理系の学部に入りました。なので、私の後輩ではレンジャー(※環境省の自然系技官職員)で入省している人もいます。文系の要素が多い理系だったので、私自身は理系での就職というのは初めから頭になかったのですが、いずれにしても環境分野に関わりたかったので環境省を選びました。だから、公務員試験の受験勉強は、法律が多くて苦労しました。入ってからも、やはりレンジャー寄りの分野に興味があるので、自然環境局や地方環境事務所などは、ぜひ一度は行ってみたいと思いますね。
現在のお仕事について教えて下さい。
現在の庶務文書係の仕事については、一言で表すのはなかなか難しいです。職員一人一人の生活に関わる給与や手当の支給から、局全体の運営に関わるところまで、とても幅広にやります。また、文書の管理や局長の秘書業務、局内の庶務関係の取りまとめという役目もあります。とにかく何でもやっているなぁという印象ですね。また、非常勤職員の採用から給与支給や保険への加入のことまで庶務文書係でやっているというのは、ここに来て初めて知りました。一雇用者・事業者としての仕事というのは面白いですね。
現在所属している水・大気環境局は、2011年3月の東日本大震災以降、除染業務を担ってきましたが、震災後の業務の内容や量について、どのような変化がありますか。
震災後の4月に異動になったので、震災前というのは体験していないのですが、配属されたときから震災直後で大変な時期でした。例の無い災害なので、本当に局が一丸となって除染業務にあたっているという感じですね。仕事量は、通常業務の他に除染に係る業務が増えているので、かなり多く感じます。異動したての頃は、通常業務も1つ1つ調べながら進めなければならず、本当に精一杯だったので、勉強にもなりましたが、とても大変でした。現在、局の職員が福島や除染チームにたくさん行ってしまっているので、常に局全体で人が少ない状態です。私自身は除染に直接携わっている訳では無く、そういった状況でも、除染に従事している職員、残って仕事を支える職員が、ちゃんと仕事ができて、ちゃんと給与をもらえるようにサポートする業務に携わっています。
仕事が大変だと感じたことは。
私の仕事はサポート役に徹することなので、非常に細々とした仕事までやらなくてはいけないですし、その量が非常に多いので、それらをこなしていくのがなかなか大変ですね。そういった意味でモチベーションが上がらない時期もありました。また、直属の上司が除染のチームに行ってしまっているので、係員の私が一人でやらなくてはいけない部分も多く、かなり負担が大きいです。モチベーションが下がったときは、ひたすら目の前にある仕事を一つ一つこなします。仕事には大小ありますが、重い案件はもちろん、小さな仕事でもやり遂げることができたときにはやはり達成感があります。
休日はどのように過ごしますか。
理想としては、読書が好きなので、コーヒーなどを飲みながら図書館や本屋で一日過ごしたいのですが・・。 最近は、金曜の夜にまとめて仕事をするので、週末のうち土曜日はつぶれてしまいます。平日は翌日遅刻しないか心配なので電車で帰るようにしています。たまってしまった仕事を金曜の夜から朝方にかけて一気にやる、という生活が続いているので、最近はあまりゆっくり休めていません(苦笑)。
鈴木さんは内閣官房に出向していた経歴がありますが、どういった業務をしていましたか。
内閣官房では、閣議に上げるための書類を整えていました。各省庁が閣議決定してほしい案件を持ってくるので、中身を確認し、閣議にかけられるように整えます。また、案件内容について上司に聞かれることがあるので、簡単に説明できるようにある程度理解しておきます。閣議という重要な場に出す書類ですので、様式も体裁もガチガチに決められていますし、かなりの正確性が求められるので、なかなか気を遣いました。また、筆で法律名を書くことがありましたので、筆で文字を書くのに慣れるまで時間がかかりました。陛下にお持ちするものなので、それはすごく大変でした。最初の頃は上司に「もう少し頑張ろうね」と言われてしまったこともありましたね(笑)。
外部から見た環境省の印象を教えて下さい。
環境省は、やはり若い省庁だと思います。内閣官房はいろいろなことについてかなりきっちりと決まりや歴史があるのですが、環境省ではまだまだそこまでの歴史やマニュアル的なものが構築できていない、ということを感じました。あとは、やはり人(職員)が少ないなぁと思います。外部にいたときも、環境省の担当とは結局異動の挨拶のときに会ったくらいで(笑)、それだけ忙しいんだろうなぁと思いました。そういった意味で、内閣官房から見ると少し頼りないという印象がありました。良い面としては、省として若い分、柔軟性があるのかなぁと思います。あと、仕事に対して真面目というか、一つ一つの案件には丁寧に対応するところがあります。省庁連絡と言って、各府省に一斉に連絡する場合にも、環境省から意外なところで問い合わせがあったりして、しっかり見てくれているんだなぁと思いました。
では、環境省ならではの魅力は何だと思いますか。
人が少ないので、職員一人一人の業務内容が濃いです。「その人がいないと回らない」という業務が多いので、やりがいという意味ではあるのかなぁと思います。また、私自身が直接携わっている訳では無いですが、決裁などを見ていると、環境省は本当にいろんなことやっているなぁと思いますね。身近なごみ問題から除染まで、「こんなことまでやっているの?」ということがよくあります。近年はますます環境省の価値が重くなってきたように感じますね。