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一般職事務系(大卒程度):楠本さんへのインタビュー

写真:楠本 浩史(くすもと ひろし)さん

楠本 浩史(くすもと ひろし)さん
【プロフィール】
地球環境局総務課予算決算係 現職
平成17年9月II種行政合格
平成18年4月環境省採用
(本省・地球環境局総務課研究調査室研究係 配属)

予算決算係ではどのような仕事をしていますか。

予算

 環境省の中でも地球温暖化対策を中心とした地球環境業務の事業経費の要求(予算要求)をこの係で取りまとめています。予算要求は会計課、さらには財務省で必要性の議論を行って、国会へ提出されますが、会計課や財務省から説明資料提出などの要求があった際、その調整を行って局内に仕事の発注を行います。

執行

 認められた予算は、会計法等に基づいて適正に執行するべく、局内の委託・請負等の事業の契約、職員の出張、専門家が出席した際の謝金の支払、物品購入(消耗品)まで、1円単位での審査・係数確認をこの係で行います。

 地球環境局は約474億円の事業費がありますが、私を含めた職員3名でこの仕事を行います。

予算決算係における仕事のポイントは。

 局内の事業(契約に関連する書類)を審査し、会計課へ提出しますが、修正する点や添付する資料などいろいろと指摘があります。これらの指摘への対応は、局内の担当課室で行いますが、局内は大変多忙ですので、会計課には、私が要点を説明するなどして、できるだけ局内の負担を少なくし、作業が円滑に進むように努めています。会計課との調整では、どこで折り合いをつけるかがポイントとなりますが、誰が見ても正しいモノを作っていくことが重要です。

会計処理に関して、最近は各方面からも厳しくご指摘を受けていますが、その点について。

 局内での予算執行についても気を引き締めて行っています。国民の目が、ますます厳しくなってきている状況ですから、それが現在の状況と合っているか確認する、そして修正が必要なものは変えていくようにしています。

 環境行政には「チームマイナス6%」など、国民の皆様に広く認識されている事業もありますが、その事業の執行方法について国民に納得してもらうため、どのように予算付けをし、適正に執行をするのかを意識して仕事に取り組んでいますね。

写真:楠本さん
難しい案件は先輩職員に相談し、理解を得て進めていきます。

この仕事のやりがいはどんなところですか?

 私は数字の整理に向いていないので、この仕事に就くとは思いもよりませんでした。しかしこの係は数字の整理は当然あるもののどちらかというと、数字が示す事業の必要性・内容を把握し、説明できることが重要です。つまりイメージを働かせてロジックを解くというような部分が自分としてやりがいを感じています。

楠本さんは前職も地球環境局でしたね。

 前職は、地球環境局の研究調査室で研究予算(毎年40億円近く)について、各機関の研究内容を査定の上、配分し、各機関の研究が終了した後の経理内容を審査する業務を中心に行っていました。

 その他当時はIPCC(※下記参照)が第4次報告書を作成する時期でしたが、部屋の人数が少ないこともあり、各種資料作成や報道対応などをメインにやらせていただきました。ちょうどIPCCが「ノーベル平和賞」を受賞したこともあり、担当した一人として感無量でした。私は文系出身なのですが、技術系の勉強を行いつつこなしました。

 これも良い経験なのですが、突然上司から「国会答弁を書いてくれ!」と指示があり、このようなことは1,2年目の者が対応することは希ですし、書き方でも技術的なことが学べたので、やって良かったと思います。

【参考】IPCC:気候変動に関する政府間パネル
 人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された機関。報告書等詳細についてはこちらを参照

今まで仕事をしてきた中で思うことは。

 今までのポストは人数が少なくて業務量も多いのですが、情報が共有できており、先程の国会答弁もそうですが、上司が理解し確認してくれますので思い切って仕事できました。また、地球環境局だからなのかもしれませんが、フランクに積極的に意見交換ができるところが良いです。

 私生活の話になりますが、気分を切り替えること! 土日はしっかり遊んで、仕事の時は仕事に集中する。私生活をいかに充実させるかに心掛けています。今は、「アルティメット」というスポーツが趣味です。(フライングディスク(いわゆるフリスビー)を使った7対7で行うスポーツ。オフェンスがパスによって、フライングディスクを運び、敵陣のゾーンでキャッチすると1点が入る競技。)

最後に受験生にメッセージをお願いします。

 「環境」はとても注目を浴びており、最も旬な仕事だと思います。また自分達の子どもや孫のことを考えたら、すばらしい「環境」を将来へ引き継いでいかなければなりません。目の前の幸せも大事ですが、長い目で未来の幸せを見据え成果を出していく、環境省はそのような取組をしています。

 公務員試験は大学受験と違って、面接があります。仕事では自分が相手に意図を伝え、相手の意見を理解することがとても重要になります。試験勉強で合格することは前提ですが、人と話したり、本や新聞も良く読んで、いろいろな人とコミュニケーションもしてください。

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