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皇居外苑濠 濠環境保全の取組


桜田濠と桜田門
 

皇居のお濠は、都市部にある貴重な水辺と緑の空間で、多様な生物の生育・生息場所となっています。

環境省では、この貴重な自然環境を永続的に保護していくために、水質の改善によるアオコの抑制や動植物の保護に取り組んでいます。

皇居外苑濠 水環境保全の取り組み
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皇居のお濠には、かつては玉川上水からの補給水が供給されていましたが、現在は水源を雨水に頼らざるを得ない状況です。一方で、周辺からの水質の悪い水や土砂、落葉等の流入で水質が悪化し、アオコの大量発生が見られるようになりました。

千鳥ヶ淵のアオコ/2009年(平成21年)夏

水質が改善した千鳥ヶ淵/2021年(令和3年)夏
 

このため環境省では濠の水質改善のため、1995年(平成7年)に濠水浄化施設を整備し、運用してきました。それにより一定の効果は得られましたが、老朽化により性能が低下したため、2013年(平成25年)からは2代目となる新濠水浄化施設.pdfの運用を開始しました。さらに、東京都の下水対策等の取組、2019年(令和元年)からの脱水設備の併用等もあり、近年、濠の水質改善が進み、濠の生態系もアオコ等のプランクトンから水生植物主体に変わりつつあります。

皇居外苑濠の水循環




新濠水浄化施設


さらに環境省では皇居外苑濠の適切な管理を行うため、2010年(平成22年)3月に皇居外苑濠管理方針及び水質改善の実施計画である皇居外苑濠水質改善計画(第1期計画)を策定、2016年(平成28年)3月には実施計画を皇居外苑濠水環境改善計画(第2期計画)に改定し、アオコの大量発生の防止など、濠環境の保全に取り組んできました。

結果、皇居外苑濠水環境改善計画(第2期計画)に基づく浄化施設をはじめとする取り組みによって濠の水質は改善され、当初の重要な問題であったアオコの異常発生も抑制できるようになりました。
2024年(令和6年)からは皇居外苑濠環境保全計画(第3期計画)により、引き続き特定の生物の異常発生、濠水の水位調整ならびに水源の確保および外来生物の根絶などの課題への対応を継続するとともに、計画対象を濠の周辺環境にまで広げ、皇居外苑濠の水環境、景観および生物相のあるべき姿の明確化、これらの保存・利活用に向けて取り組みを進めています。



【図】皇居外苑濠管理方針・濠別管理方針と実施計画について

濠管理の基本方針
・皇居外苑濠管理方針(2010年(平成22年)3月)

濠の日常管理の指針
・皇居外苑濠濠別管理方針(2010年(平成22年)3月)

濠管理の実施計画
【第1期】皇居外苑濠水質改善計画( 2010年(平成22年)3月)
【第2期】皇居外苑濠水環境改善計画(2016年(平成28年)3月)
【第3期】皇居外苑濠環境保全計画(2024年(令和6年)6月)