皇居外苑の一年間(8月)

8月(ヒカリゴケ)

写真:ヒカリゴケ

皇居外苑のお濠に面した石積の奥に、ヒカリゴケが淡黄色に輝いています。

このヒカリゴケは昭和44年に付近の住民により発見され、昭和47年、「江戸城跡のヒカリゴケ成育地」として天然記念物に指定されました。

ヒカリゴケは、ヨーロッパ、北アメリカから日本に分布する蘚類で、レンズ状の細胞がつながった玄糸体が入射光線を屈折反射し光り輝くもので、北海道知床半島、長野県渋温泉、栃木県の日光湯元など、空気が清浄な冷涼地で、適度な湿り気と暗さのある洞窟内などで生育しているのが知られています。

都心の平地にある皇居外苑の石積の内部環境が言わばエアコンのような働きをしてこれらの成育環境を形成しているものと考えられており、この絶妙な生育環境中で生息しております。貴重な生物の保全のため、また、公園利用者の安全上の観点から一般に公開はされておりません。