- 11:45 - 13:00
- 気候変動の時代における新たな感染脅威と革新的な国際協力
- 主催者
- 環境省
- 内容
-
概要
デング熱は世界保健機関(WHO)が2019年に世界の健康に対する10大脅威の1つにあげた感染症である。しかし、これまで有効な治療薬がない中、現在では世界人口の約半数がデング熱の危険にさらされており、毎年1億~4億人が感染していると推定されている。
WHOによると流行国は1970年以前、東南アジア中心の9カ国であったが、現在は中南米やアフリカ大陸の広範囲にまたがる100カ国以上に拡大しているとされる。拡大理由の1つとして気候変動の影響が挙げられている。
本セミナーでは、気候変動と健康の相関関係を再確認するとともに、感染予防に有力なワクチンについて民間企業の取組みを紹介し、気候変動と健康に関する専門家を交えてデング熱感染症の有効な対策について検討する。
セミナーを通して、官民セクターまた国際機関の各々が、セミナー参加者に対してこれまでに得た知識やベストプラクティスを提供し、セクターを超えた協働体制が、気候変動と健康の課題の中で増大するデング熱の脅威に対処する実用的な解決策に寄与することが期待される。プログラム
主催者挨拶
- 松澤 裕|環境省 地球環境審議官
基調講演
- マリア ネイラ|WHO ATACH ディレクター
プレゼンテーション
- 大薮 貴子|武田薬品工業株式会社 グローバルコーポレートアフェアーズ チーフグローバルコーポレートアフェアーズ&サステナビリティオフィサー
パネルディスカッション
- 羽井佐 幸宏|環境省 地球環境局総務課気候変動科学・適応室長
- デレク ウォレス|武田薬品工業株式会社 グローバルワクチンビジネスユニット グローバルワクチンビジネスユニットプレジデント
- アナマリア ベハール|GAVI ディレクター
- ダニーロ モウラ|UNICEF Brasil プログラム・スペシャリスト- 気候、環境、災害リスク軽減
- 髙橋 順一|厚生労働省 国際課国際保健・協力室長
閉会の挨拶
- 羽井佐 幸宏|同上
- セッション
サマリー -
本セミナーでは、気候変動がデング熱の世界的拡大に与える影響を検討し、感染リスク軽減に向けた対策について議論が行われた。まず、気候変動と健康および公衆衛生の関連性の紹介があり、続いて民間企業による有効なワクチン接種や企業の役割が報告された。その後のパネルディスカッションでは、GAVIやUNICEFなど多国間機関も交え、国際機関や公共・民間セクターが連携し、実行可能な解決策を模索したり、費用対効果など定量的に表現可能なアウトプットを出したりすることの重要性が強調された。多様な知見や実践を共有するとともに、政府・民間セクターの協働が鍵になると結論づけた。
マリア・ネイラ氏(WHO)による基調講演 大薮貴子氏(武田薬品工業)による発表 アナマリア・ベハール氏(GAVI)による発表 パネルディスカッションの様子