11月14日(月) 10:00-12:00

10:00-12:00

タイトル NDC(各国が定める貢献)策定・実施準備のための地域対話~緩和構想からアクションへ繋げるための各国取組のストックテークと望ましい国際支援のあり方~
概要 本イベントでは、INDCを提出したタイ、インドネシア、ベトナムに焦点を充て、これら東南アジア中進国におけるNDC実施のための国内準備の現状とプラクティスを実務者間で共有し、相互学習に資することを目指す。
対話では特に既存緩和努力のNDCへの主流化・整理、NDC実施に向けた国内政治モメンタムの醸成、技術検討および実施体制作り等に焦点を充てる。
また途上国締約国の取組を担保する国際支援の役割が大きいため、本対話では、JICAを中心としたこれまでの気候変動緩和技術協力の実績・教訓を踏まえつつ、関連する国際パートナーシップ関係者らを招聘し、NDCに係る望ましい支援の方向性や能力強化のあり方についても協議する。
主催/共催
プログラム
セッション
サマリー
本イベントは、東南アジア中進国(タイ、インドネシア、ベトナム)におけるNDC実施のための国内準備の現状とプラクティスを実務者間で共有し、相互学習に資することを目的とて開催された。
本地域対話は2部で構成され、第1部はNDC実施準備に係る国別経験の共有として、右の3か国におけるNDC策定・実施に向けた国内作業の進捗や教訓が共有された。各国発表より、実施への着実な推進には、対策効果のトラッキングを加味した設計(タイ)、ハイレベルの巻込み(ベトナム)、緩和・経済成長・貧困削減間のリンケージの確保や開発計画への主流化(インドネシア)等が要件として示された。他方、民間セクターの巻込み、低炭素技術の価格優位性、MRVの制度化、主流化時の各省調整の難しさが具体的課題として示された。
続く地域対話セッションでは、冒頭、NDCの実施促進に資する「域内協力」について議論がなされ、メコン川流域を事例に、域内共通の地理的特性を踏まえた国内緩和対策の学習・横展開が南南協力に、京都議定書目達経験からの学習がそれぞれ南南、南北協力に資することが示された。また参加国は国内能力が蓄積されており、既存の国内メカニズム(例:国内気候変動信託基金)に対する地域からの支援が、各国オーナーシップの醸成に繋がるとする見解も併せて示された。
会場参加者からはNDCでの「市場メカニズムの役割」と「国内資金の調達戦略」に質問がなされ、前者は3か国とも概念自体にオープンかつ柔軟な対応を行うが、先ずはNDCの根底にあるエネルギー・交通政策の履行を優先(タイ)、NDC目標達成手段としては有用だが手法(炭素税、排出量取引)は検討途上にあること(ベトナム)、またパリ協定での扱いも踏まえ交渉の進展を追う必要がある(インドネシア)など、発言に幅が見られた。後者は、国内予算を含む公的資金は適応に充当し、民間資金を活用した緩和推進を志向(ベトナム)、NDCでは国内予算で実施する目標もコミットしているが、資金調達は開発計画への主流化が先ず大前提である点(インドネシア)などが示された。
第2部ではNDC実施促進に資する国際協力・協調について、JICAによる域内気候変動緩和技術協力事業の実績や国際パートナーシップ・セミナー結果から抽出される教訓が共有された。参加者からは財源アクセス、政治―技術プロセス間のリンケージや、気候変動の横断的特性に対応するための窓口省庁を超えた巻き込み・調整が課題として示された。
併せて、パリ協定採択後の緩和を巡るダイナミックな情勢変化やNDC実施準備は各国差があり、段階的アプローチの必要性に加えて、情勢に応じたプロジェクト設計の変更などドナーサイドによる対応の「柔軟性」の必要性が強調された。また既に緩和を巡る様々な国際パートナーシップが運用化されているが、新たなNDCパートナーシップはそれらの調整機能に資する点が謳われた。対話セッションでは、NDC実施に資する望ましい調整・連携のあり方として関連イベント共催・コファイナンスが例示されたほか、知識管理の集約や一元化に国際パートナーシップへの期待が示された。
キーメッセージ
各種資料 発表資料 1(英文)(PDF・331KB)
発表資料 2(英文)(PDF・1,836KB)
発表資料 3(英文)(PDF・150KB)
発表資料 4(英文)(PDF・117KB)
発表資料 5(英文)(PDF・186KB)
発表資料 6(英文)(PDF・131KB)
発表資料 7(英文)(PDF・86KB)
発表資料 8(英文)(PDF・613KB)
発表資料 9(英文)(PDF・83KB)
イベント風景
  • 11月14日(月)10:00-12:00のイベント
  • 11月14日(月)10:00-12:00のイベント
  • 11月14日(月)10:00-12:00のイベント
報告者 国際協力機構(JICA)有償附帯技プロ・国としての適切な緩和行動の策定・実施支援(SPI-NAMA)総括役/JICA長期専門家 福田幸司