化学物質管理政策対話

化学物質による環境汚染を防止

第12回日中韓化学物質管理政策対話(2018年6月中国・蘇州)

第12回日中韓化学物質管理政策対話

(2018年6月中国・蘇州)

近年、中国および韓国をはじめ東アジア各国との化学物質や各種製品の輸出入がますます盛んになってきていることから、各国における化学物質管理制度の適正な運用は、我が国を含む東アジア地域の環境汚染を防止する上で重要となっています。また、化学物質の製造・輸入を行う事業者などからは、各国の化学物質管理政策の整合性に大きな関心が寄せられています。東アジア地域における化学物質による環境汚染を防止するため、三カ国の連携・協力、国際調和がますます重要になっています。

こうした状況を踏まえ、平成18年12月に開催された第8回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM8)における合意に基づき、化学物質管理政策対話を毎年開催しています。政策対話では、化学物質管理政策の最新動向と今後の方向性、化学物質管理に関する国際動向への対応、各国の最新の課題に関する対応の状況等について情報・意見交換を行い、今後の化学物質管理政策の連携・協力の進め方について議論を進めています。

活動の経緯
第1回

2007.11(日本・東京)

GHS等の各国の共通課題に関して、各国の取組みの現状及び課題等が報告され、これらの分野についてさらなる情報交換を進めていくことが合意されました。

第2回

2008.9(韓国・ソウル)

GHS専門家会合では、日中韓における化学物質の有害性分類の比較などの検討作業がなされ、公開のセミナーも開催されました。また、日中韓の政府事務レベル会合では、今後の連携・協力の進め方について議論がなされました。

第3回

2009.9(中国・北京)

日中韓の政府関係者により意見交換を行い、化学物質管理に関する最新動向についての情報・意見交換が行われました。また、優良試験所基準(GLP)、化学物質の試験方法及びリスクアセスメント分野における環境協力強化の必要性が合意されたとともに、製品中の化学物質管理の重要性について認識が共有されました。

第4回

2010.9(日本・東京)

日中韓の政府関係者により意見交換を行い、化学物質管理の最新動向に関する情報・意見交換や今後の三カ国での連携・協力の進め方について議論がなされ、テストガイドライン、優良試験所基準(GLP)、リスク評価分野における協力強化の必要性等が合意されました。

第5回

2011.8 9(韓国・済州島)

日中韓の政府関係者により、化学物質管理政策、化学物質事故への対応、毒性及びばく露の評価手法及び化学物質のデータベースに関する情報・意見交換が行われました。今後も引き続き、各国において実施される化学物質の審査におけるリスク評価等について情報共有を行い、調和を目指すことが合意されました。

第6回

2012.10(中国・杭州)

日中韓の政府関係者により、化学物質管理政策、毒性及びばく露の評価方法等について活発な意見交換を行うとともに、化学物質管理に関する国際動向への対応等について情報交換がなされました。今後も引き続き、各国において実施される化学物質の審査におけるリスク評価等について情報共有を行い、調和を目指すことが合意されました。

第7回

2013.11(日本・京都)

日中韓の最新の化学物質管理政策、化学物質管理に関する国際動向への対応等に関する情報交換及び意見交換を実施しました。また、次回会合に向けて、PRTRの技術的事項に関する情報交換や化学物質の生態毒性試験に関する共同研究等を進めることを合意しました。

第8回

2014.11(韓国・済州島)

大きく進展している日中韓3カ国の化学物質管理政策に関して意見交換を行うとともに、化学物質管理に関する国際動向への対応、水銀に関する水俣条約に対応するための水銀管理の状況等について情報交換を行いました。専門家会合においては、生態毒性試験の実施手法の国際調和に向けて、日中韓の共同研究として各国で実施した甲殻類急性毒性試験の比較結果が報告され、その成果が確認されました(報告書はこちらをご覧ください。)。また、次回会合においては、既存化学物質のリスク評価手法や評価結果、水銀に関する水俣条約の批准に向けた対応等について情報交換を行うことなどが合意されました。

第9回

2015.11(中国・南京)

化学物質管理に関する国際動向への対応、水銀に関する水俣条約の早期発効に向けた各国の国内対応の状況等について情報交換を行いました。また、我が国で開催される次回会合では、化学物質の審査・評価手法(生物試験の代替手法(QSAR 等)、内分泌かく乱作用の評価手法を含む。)、化学物質排出移動量届出制度(PRTR)等についての情報交換を新たに開始するとともに、化学物質管理分野における3カ国の共同行動計画の採択を目指すことに合意しました。詳細はこちらをご覧ください。

第10回

2016.10(日本・東京)

化学物質管理政策の最新動向と今後の方向性、化学物質管理に関する国際動向への対応、各国の最新の課題に関する対応の状況等について情報・意見交換を行いました。具体的には、日本からは化審法のリスク評価、PRTR、環境モニタリングの取組、中国からは既存化学物質のリスク評価の制度化に向けた検討、韓国からは2015年(平成27年)に導入された化学物質登録評価法(K-REACH)の取組等について紹介され、相互に理解を深めました。専門家会合においては、生態毒性試験の実施手法の国際調和に向けて、日中韓の共同研究として各国で実施した魚類急性毒性試験の比較結果が報告され、その成果が確認されました(報告書はこちらをご覧ください。)。また、日中韓の化学物質管理政策における共通の課題を明確にし、それらの課題を効率的、効果的に解決するため、日中韓の情報交換及び共同研究等の取組を進めていくこと等を定めた、2019年(平成31年)までの日中韓化学物質管理政策対話3カ国共同行動計画に合意しました。

第11回

2017.10.11(韓国・麗水)

化学物質管理政策の最新動向と今後の方向性、化学物質管理に関する国際動向への対応、各国の最新の課題に関する対応の状況等について情報・意見交換を行いました。具体的には、日本からは化審法のリスク評価、化審法の改正、POPs条約への対応、中国からは既存化学物質のリスク評価の制度化に向けた検討、韓国からは2015年(平成27年)に導入された化学物質登録評価法(K-REACH)の取組、新たな消費者製品及び殺生物製品の規制法案等について紹介され、相互に理解を深めました。引き続き、化学物質管理政策対話及び専門家会合を継続し、日中韓の情報交換及び共同研究等の取組を進めていくことに合意しました。

第12回

2018.6(中国・蘇州)

日中韓の政府関係者により、@化学物質管理政策の最新動向、A化学物質リスク評価の情報収集システム、B各国の最新の課題等について、活発な情報・意見交換を行いました。具体的には、日本からは化審法における化学物質の審査・評価、既存化学物質のリスク評価における情報収集手法、環境モニタリングの実施状況、中国からは新規化学物質登録の情報収集、化学物質の規制の状況、そして今後のリスク評価の制度化に向けた検討、韓国からは2015年(平成27年)に導入された化学物質登録評価法(K-REACH)の取組と改正案、化学物質登録のためのK-CHESAR、消費者製品のリスク評価について紹介され、意見交換を通じ、相互に理解を深めました。今後の協力の課題について、各国における化学物質の環境保全のための管理制度と他の管理制度との状況、化学物質管理の運営に関する課題について意見交換をしていくことが提案されました。専門家会合では、日中韓の共同研究として各国で実施した魚類慢性毒性試験の比較結果が報告され各国の試験結果の差について原因を究明するとともに、試験実施の共通の条件(プロトコル)を提案していくこと、化学物質管理に関するデータベースについて情報交換を行うこと等に合意しました。