福島イノベーション・コースト構想については、震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業・雇用を回復するため、当該地域の新たな産業基盤の構築を目指して、2014年6月に、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想研究会において取りまとめられました。
2019年11月25日の「第3回福島イノベーション・コースト構想推進分科会」において、浜通り地域等に新たな産業基盤の構築を目指す同構想の更なる具体化を軸に、中長期的かつ広域的な観点から地域が目指す自立的・持続的な産業発展の姿と、その実現に向けた国、県、市町村、関係機関が進める取組の方向性を示す「福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真(案)」について議論を行い、同年12月9日に復興庁・経済産業省・福島県において、とりまとめました。
同構想の実現に向けて、福島イノベーション・コースト構想推進機構を中心に、廃炉研究開発、ロボット研究・実証、情報発信拠点(東日本大震災・原子力災害伝承館)等の拠点整備や、環境・リサイクル分野、水素や再生可能エネルギーなどのエネルギー分野、農林水産業・医療関連・航空宇宙分野に係るプロジェクトの具体化、産業集積、人材育成等に取り組んでいます。
主な動きとしては、2020年3月に全面開所した「福島ロボットテストフィールド」において、2023年9月末までに、1,147件の実証実験が行われるとともに、同フィールドを核としつつ、浪江町や双葉町といった周辺地域に事業拡大する企業も出てきています。また、2022年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ」では、福島浜通り地域をスタートアップ創出の先進地とすることを目指し、実証フィールドの整備やスタートアップの実用化開発等の重点支援等を行うこととされたことを受け、2023年度より、地域復興実用化開発等促進事業(イノベ実用化補助金)において、スタートアップの優遇措置(スタートアップへの加点措置、大企業の補助率引き下げ)や、広域飛行ルートの整備を実施しました。
本資料への収録日:2018年2月28日
改訂日:2024年3月31日