放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和4年度版、 HTML形式)

MENU

第5章 国際機関による評価
5.2 UNSCEAR2020年/2021年報告書

UNSCEAR2020年/2021年報告書(7/8)公衆の健康影響についての評価

閉じる

国連科学委員会(UNSCEAR)は、被ばく線量評価に基づいて、公衆の健康影響について、上記のように評価しました。
甲状腺がんについては、被ばくした小児の間で相当数の甲状腺がんが検出されているが、それらと放射線被ばくが関係している様には見えず、むしろ、高感度の超音波検診法を適用した結果であると評価されています。その理由は以下の通りです。

  • 福島県では5歳未満までに被ばくした人々には甲状腺がんの過剰は観察されず、チェルノブイリ事故の結果として被ばくした同年齢層において大幅な過剰が観察されたのとは対照であること。
  • チェルノブイリ事故や他の放射線調査のように被ばく後4~5年に発症するというよりも、福島県では被ばく後1~3年で甲状腺がんが多く確認されていること。
    その他、放射線被ばくに関連する先天性異常や死産、早産、低出産体重の過剰についての信頼できるエビデンスの存在は確認されていません。事故後に避難した人々の間で、心血管疾患や代謝性異常の発生率の上昇が見られましたが、社会的変化や生活習慣の変化の影響と考えられており、放射線被ばくに起因するものではないと結論付けられています。

【報告書記載箇所】
・UNSCEAR2020年/2021年報告書(ANNEX B, 日本語版P80~84, 第213,215,225項及び日本語版P91~92, 第244~248項から作成)

本資料への収録日:2023年3月31日

ページ先頭へ