放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和4年度版、 HTML形式)

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第5章 国際機関による評価
5.2 UNSCEAR2020年/2021年報告書

UNSCEAR2020年/2021年報告書(3/8)公衆の被ばく線量評価にあたってのUNSCEAR2013年報告書からの更新

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国連科学委員会(UNSCEAR)2013年報告書以降に入手可能となった2019年末までの最新の知見を用いて、より充実した測定ベースの情報に基づく線量推定が可能となりました。
 人を対象とした測定データに関しては、居住者の日常の活動パターンの調査や周囲の線量率の測定、個人線量計の測定を通して個人線量の評価が多く実施され、UNSCEAR はこれらのデータの一部と他の科学的結果を用いて、外部被ばくによる線量の推定値を検証し、より広範な集団に適用するモデルを開発しました。さらに2011年に実施された1,500人以上を測定対象とした甲状腺測定の結果1に基づき、内部被ばくによる甲状腺線量の推定値が検証されています。また、日本原子力開発機構や放射線医学総合研究所等の国立機関や大学、病院、自治体が実施したホールボディ・カウンタによる体内の放射性セシウムの測定データが、吸入及び経口摂取による線量推定に使用されました。
環境モニタリングデータについては、2011年3月から2018年3月の間に国内で実施された調査結果(空間線量率、放射性核種の沈着密度、空気中及び食品と飲料水中の放射性核種濃度の測定に関するデータ)の一部を用いて、線量の推定が実施されました。例えば、特に東京電力福島第一原子力発電所事故の初期段階や津波の被害を受けた地域では、放射性核種が放出されている間の放射性核種の大気中濃度の測定データは限られていましたが、2011年3月から5月の期間における日本本土7か所の大気浮遊粒子中の放射性核種濃度に関する新しいデータが利用可能になりました。
食品および飲料水については、食品および飲料水のモニタリングデータに加え、陰膳方式またはマーケットバスケット方式で試料採取した1日の全食事中の放射性セシウム含有量の測定値の情報が更新されました。

1. バックグラウンドレベルが高いといった条件のデータを省いた、論文等で報告されている解析の対象となるデータ数は約1,300人分

【報告書記載箇所】
・UNSCEAR2020年/2021年報告書(ANNEX B, 日本語版P105〜116, A11項及びA13項、A16項、A17項、A19項、A20項、A23項、A29項、A31項から作成)

本資料への収録日:2023年3月31日

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