放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和4年度版、 HTML形式)

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第2章 放射線による被ばく
2.5 身の回りの放射線

年間当たりの被ばく線量の比較

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2020年11月に、公益財団法人原子力安全研究協会は、「生活環境放射線(国民線量の算定)第3版」を発行し、同書において日本人の国民線量を発表しました。調査の結果、1年間に受ける日本人の平均被ばく線量は4.7ミリシーベルトであり、そのうち2.1ミリシーベルトが自然放射線からの被ばくであると推定されています。
自然放射線の内訳を世界平均と比較すると、ラドン222及びラドン220(トロン)からの被ばくが少なく、食品からの被ばくが多いという特徴があります。日本人は魚介類の摂取量が多いため、食品中の鉛210やポロニウム210からの被ばくが0.80ミリシーベルトと世界平均と比較して多くなっています(上巻P66「自然からの被ばく線量の内訳(日本人)」)。なお、海外での食品中の鉛210やポロニウム210の分析は日本ほど実施されていないため、世界平均値に比較すると日本の値が大きくなっている要因の一つと考えられています。
医療被ばくによる1年間の平均被ばく線量は2.6ミリシーベルトと推定されています。最新の情報を基に線量が推定された結果、2011年に公表された「新版 生活環境放射線(国民線量の算定)第2版」の3.87ミリシーベルトという値から大きく減少しました。放射線検査による被ばく線量は個人差が大きいのですが、平均すると日本人の被ばく量は極めて多いことが知られています。特にCT検査が占める割合が大きくなっています。なお、診断で受ける放射線量が適切かどうかを判断する目安として、診断参考レベルの利用が推奨されており、日本においても診断参考レベルが公開されています(上巻P76「診断で受ける放射線量」)。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2022年3月31日

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