放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和4年度版、 HTML形式)

MENU

第2章 放射線による被ばく
2.5 身の回りの放射線

診断で受ける放射線量

閉じる

放射線検査による被ばく線量は、検査の種類によって異なります。歯科撮影のように局所的にごく僅かな被ばくをするものもありますし、X 線CT や核医学検査等、被ばく線量が比較的高めの検査もあります。また、同一の検査の種類でも、線量は医療機関によって大きな違いがあり得ます。そこで、診断で受ける放射線量が適切かどうかを判断する目安として、診断参考レベルの利用が推奨されています。その医療機関の平均的な放射線量が診断参考レベルと大きくかけ離れている場合、検査における照射条件の見直しを国際放射線防護委員会(ICRP)は考慮すべきとしています。
欧米等の諸外国では、診断参考レベルを既に利用している国もあります。日本では日本診療放射線技師会が、診断参考レベル相当の値を独自に取りまとめ、2000年に「医療被ばくガイドライン(低減目標値)」を発行しました。その後、2006年に、「医療被ばくガイドライン2006」として改訂されています。さらに、医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)1は、参加団体が実施した実態調査の結果に基づいて、日本で初めて診断参考レベルを策定しました。最新の診断参考レベルは「日本の診断参考レベル(2020年版)」が2020年7月3日に公開されています(2020年8月31日に一部修正)。

1. 医療被ばく研究情報ネットワーク(Japan Network for Research and Information on Medical Exposures: J-RIME)は、学協会等の協力を得て多くの専門家の力を結集し、医療被ばくに関する国内外の研究情報を収集・共有して、我が国の事情に合致した医療被ばくの防護体系を確立するための活動母体として2010年に発足しました。J-RIME の活動目的は、放射線診療における被ばく線量・リスク評価等医療被ばくに関するデータを収集し、我が国の医療被ばくの実態把握を行うと共に、国際的な動向を踏まえて医療被ばくの適切な防護体制を国内に構築する点にあります。(出典:http://www.radher.jp/J-RIME/index.html より作成)

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2022年3月31日

ページ先頭へ