放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和3年度版、 HTML形式)

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第7章 環境モニタリング
7.6 上水のモニタリング

上水道の仕組み

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この図では、日本で一般的に用いられている浄水方法である「急速ろ過法」を示しています。急速ろ過法では、河川やダムから取り入れた水に泥や小さな粒子を沈殿させる薬剤を用いて、フロックと呼ばれる大きな塊にします。そして、上澄みの水をろ過することで水道水が作られます。
セシウムは土や泥に強く吸着する性質を持ちます(下巻P36「放射性セシウムの挙動」)。そのため、水がフロックと分離する際には、セシウムは土や泥の塊であるフロックの方に集まる性質があること、水道に用いられる水は沈殿池の上澄みの部分を用いることからも、セシウムは水道水にはほとんど混入しない仕組みになっています。
図中の放射性セシウム濃度の推移(Bq/L)は、2011年4月28日時点の福島県内浄水場の実測値を浄水場の模式図の該当箇所に当てはめて示したものです。最初の取水の段階では1リットル当たり12Bq程度だった放射性セシウム濃度が、最後の送水ポンプで送り出される段階では定量下限値未満まで低下しています。水1リットルは約1kgですので、厚生労働省が2011年3月に通知した水道水中の放射性物質に係る指標の200Bq/kg(放射性セシウム)より十分低く、2012年3月に出された、水道水中の新たな目標値10Bq/kg(下巻P51「2012年4月からの基準値」)よりも十分低かったことが分かります。

本資料への収録日:2015年3月31日

改訂日:2019年3月31日

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