放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和3年度版、 HTML形式)

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第5章 国際機関による評価
5.3 UNSCEAR2013年報告書

UNSCEAR2013年報告書(5/9)公衆の被ばく線量評価 被ばく経路

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事故により環境中に放出された放射性物質による被ばく線量を推定するために、被ばくの形態の分析が行われます。
この図は、放射性物質による被ばくの経路を整理して示したものです。放射性プルームとして大気中を移動した後、人々の居住地域に到達する経路です。この場合、通過するプルーム中に含まれる放射性物質からの外部被ばくとプルーム中の放射性物質を吸い込むことにより起こる内部被ばくの2つの経路があります。
さらに、プルーム中に含まれた放射性物質が降雨等により地表に沈着した場合にも、2つの被ばく経路があります。1つ目は、地表に沈着した放射性物質からの放射線による外部被ばくです。2つ目は、沈着した放射性物質が農作物に移行するか、あるいはそれを食した家畜を摂取することにより起こる内部被ばくです。飲食物の摂取による被ばくとしては、水道水等放射性物質が含まれる飲料水を飲用することによる内部被ばくと、海洋に移行した放射性物質が魚介類に移行しそれを食することによる内部被ばくの経路が考えられます。
また、地表に沈着した放射性物質が大気中に再浮遊して、それを吸入することによる内部被ばくも考えられないことはありませんが、この被ばく経路の放射線影響は小さいと評価されています。
以上により、大気中に放出された被ばく経路の主なものは次のとおりとなります。
①放射性プルーム中の放射性核種による外部被ばく
②放射性プルーム中の放射性核種の吸入による内部被ばく
③地面に沈着した放射性核種からの外部被ばく
④食品及び水に含まれる放射性核種の摂取による内部被ばく

【報告書記載箇所】

・ UNSCEAR報告書(科学的附属書A, 日本語版P45~46, 第65~66項、附録C, P148~149, 第C3~C7項から作成)

本資料への収録日:2015年3月31日

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