放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和3年度版、 HTML形式)

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第3章 放射線による健康影響
3.8 こころへの影響

緊急事態後の各段階の心のケアの検討事項

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世界保健機関(WHO)が公表した「原子力・放射線緊急事態における心のケア」(2020年)では、原子力・放射線緊急事態後の計画期・対応期・復興期の各段階において、必要とされる心のケアの検討事項が章ごとにまとめられています。
緊急事態後の計画・対応・復興のいかなる段階においても、心のケアが放射線被ばくを減らす防護措置を妨げるものであってはならないこと、そのため、放射線防護と心のケアをうまく連動させることに留意し、コミュニティを巻き込みながら両者を実施していくことが、本書の全章を通して強調されています。
例えば、【準備・計画期】では、放射線による実際の危害とリスクのマッピング(位置づけとその記述)を行い、各防護行動に対する心のケアの方法の優先順位をつけ、一般保健医療とも連動させた心のケアの実施計画を策定すること、【対応期】では、防護措置による心理的影響を理解し、防護行動が必要な理由について、健康に焦点を当てた説明や意思決定支援が行えるように、対応者のトレーニングを行うこと、【復興期】では、コミュニティの中・長期的な発展とエビデンスに基づいたメンタルヘルスサービスや心理社会的介入に焦点をあて、長期的な視野に立った支援サービスを開発し、リスクのある集団へのケアやスティグマ対策などを継続的に実施していくことなどが重要であると記載されています。

本資料への収録日:2022年3月31日

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