福島県が実施している県民健康調査では、毎年避難区域等の住民に対しこころの健康度・生活習慣に関する調査を実施しています(詳しくは、下巻10.5節「こころの健康度・生活習慣に関する調査」を参照)。2011年度には、避難区域等の住民に対し、①放射線の急性被ばく影響(抜毛や出血など)、②晩発影響(甲状腺がんや白血病)、③なんらかの次世代への影響、の3点について、その認識を尋ねています。その結果は次のとおりです。
• 急性被ばくを心配する方は非常に少ない一方、晩発影響や次世代影響を心配する方は非常に多く、半数以上にのぼっている。
• ①、②、③の3点の設問の全てで、放射線影響を心配する人は、そうでない人よりも明らかに精神健康度が悪く、抑うつ症状や不安症状を抱えている。
これらの結果から、否定的なリスク認知を有する方は、同時に強い抑うつ・不安症状を有している可能性が高いと言えます。
本資料への収録日:2018年2月28日
改訂日:2022年3月31日