原子力災害の心理的影響としてよく挙げられる事例に、チェルノブイリ原発事故による影響があります。
国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)による取りまとめでは、放射線による直接の健康影響よりも心理的影響のほうが大きかったとされています。
チェルノブイリ原発事故後、精神的ストレスから身体不調を訴えた人が多く見られました。これは、放射線の影響だけが原因というわけではなく、当時ソビエト連邦の崩壊によって社会・経済が不安定化し、人々に大きな精神的ストレスが加わったこと等、複数の要因が複雑に絡み合った結果であると考えられています。
本資料への収録日:2013年3月31日
改訂日:2017年3月31日