世界には、中国の陽江(ヤンジャン)、インドのケララ、イランのラムサール等、日本より7倍から30倍程度自然放射線が高い地域があります。こうした地域で自然放射線レベルが高い原因は、ラジウムやトリウム、ウラン等の放射性物質が土壌中に多く含まれることが挙げられます。
これまで高自然放射線地域として有名であったブラジルのガラパリは、都市化によるアスファルト舗装の結果、空間線量率が減少したと報告されています。
中国やインドにおける疫学調査等から、これまでのところ、これらの地域では、がんの死亡率や発症率の顕著な増加は報告されていません(上巻P124「低線量率長期被ばくの影響」)。ラムサールでは、がんリスクに関する解析が現在進められています。
本資料への収録日:2013年3月31日
改訂日:2022年3月31日