放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和3年度版、 HTML形式)

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第2章 放射線による被ばく
2.2 原子力災害

原子炉内の生成物

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軽水炉型原子力発電所(東京電力福島第一原子力発電所も含む)は現在、世界で最も広く使われているタイプの原子炉です。燃料の濃縮ウラン(ウラン235:3~5%、ウラン238:95~97%)に中性子を当てると、核分裂が起こります。そのとき、ヨウ素131、セシウム137、ストロンチウム90等の放射性の核分裂生成物が作られます。また、ウラン238に中性子が当たると、プルトニウム239が作られます。
なお、セシウム134はウラン235の核分裂によって直接生成するのではありません。核分裂生成物であるキセノン133等が順次ベータ壊変してセシウム133になり、さらに、セシウム133に、減速された中性子が捕獲されてセシウム134になります。
正常に原子炉が働けば、これらの生成物は燃料棒の中にとどまり、原子炉から外へは漏れ出しません。
原子力施設には放射性物質を外に出さないようにする様々な仕組みがありますが、それらが全て機能しなくなると、放射性物質が漏れ出すことになります。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2019年3月31日

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