放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和3年度版、 HTML形式)

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第1章 放射線の基礎知識
1.3 放射線

放射線の透過力

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電荷を持つ粒子や電磁波は、物質と相互作用し、エネルギー(速度)を失い、最終的には止まります。
α(アルファ)線は電離する量が極めて多いので、紙1枚で止まります。β(ベータ)線は、エネルギーによりますが、空気中では数m程度飛び、プラスチック1cm、アルミ板2~4mm程度で止まります。γ(ガンマ)線・X(エックス)線はα線やβ線よりも透過力が高く、これもエネルギーにより、空気中の原子と衝突しながら次第にエネルギーを失い、空気中を数十mから数百m飛びます。一方、密度の高い鉛や鉄の厚い板によって止めることができるため、放射線発生装置からのγ線やX線は、鉄等を用いて遮へいすることができます。
電荷を持たない中性子は、衝突によりエネルギーを失い、その後、物質との相互作用等で吸収されます。すなわち、中性子は、物質を構成する原子核と直接衝突することでエネルギー(速度)を失います。質量がほぼ同じである陽子(水素の原子核)と衝突する場合に最も効果的にエネルギーを失います。
(関連ページ:上巻P21「放射線の体内での透過力」

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2016年3月31日

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