放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和2年度版、 HTML形式)

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第4章 防護の考え方
4.4 長期的影響

環境中での放射性セシウムの動き:粘土鉱物による吸着・固着

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セシウムはカリウム等と化学的に同じような性質(1価の正電荷)を持っていることから、表面に負の電荷を持つ粘土鉱物に吸着されやすい性質があります。さらに、一部の粘土鉱物は時間の経過と共に吸着したセシウムを「固定」する能力を持ち、一度固定されたセシウムは水に溶け出しにくいことが分かっています。
今回の事故により環境中に放出された放射性セシウムは、時間の経過と共に土壌中の粘土鉱物による吸着・固定が進み、作物に吸収されにくくなっています。(上図)
なかでも、バーミキュライトやイライト等の雲母鉱物由来の粘土はセシウムを固定する能力が高いことが分かっています。(下表)
これまでの調査研究の結果から、福島県内の河川において、河川水中の放射性セシウム濃度は、徐々に減少する傾向が確認されています。また、森林等から河川に流入する放射性セシウムの濃度も、時間と共に減少する傾向が確認されています1

1. 原子力規制庁委託事業「平成26年度東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布データの集約及び移行モデルの開発」事業 成果報告書

本資料への収録日:2017年3月31日

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