放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和2年度版、 HTML形式)

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第3章 放射線による健康影響
3.7 がん・白血病

甲状腺がんの罹患率:海外の例

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近年、甲状腺がん罹患率の劇的な増加が報告されています。医療調査や保健医療サービスの利用増加と合わせ、新たな診断技術の導入によって、微小な甲状腺がん(微小乳頭がん)が大量に発見されていることがその原因だといわれています。
一方、罹患率の上昇に比べ死亡率はほぼ一定であることから、微小乳頭がんのうち無症状で非致死性のものを多く診断している可能性(過剰診断)が指摘されています1
甲状腺がんの罹患率増加は、アメリカ、オーストラリア、フランス、イタリアなど世界中で見られている傾向ですが、特に韓国で顕著に見られます。韓国では1999年から甲状腺がん検査の公的援助が始まり、最先端の検査が低負担で受診できるようになりました。そのため多くの人が受診し、甲状腺がん罹患率の大幅な上昇につながったと考えられます。

1. International Agency for Research on Cancer “Overdiagnosis is a major driver of the thyroid cancer epidemic : up to 50–90% of thyroid cancers in women in high-income countries estimated to be overdiagnoses” (August 18,2016)

本資料への収録日:2017年3月31日

改訂日:2019年3月31日

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