放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和2年度版、 HTML形式)

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第3章 放射線による健康影響
3.7 がん・白血病

セシウムによる内部被ばく-チェルノブイリ原発事故-

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1986年に起こったチェルノブイリ原子力発電所事故では、東京電力福島第一原子力発電所事故よりもはるかに大量の放射性物質が放出されました。事故当初、ソビエト連邦はこの事故を公表せず、周辺住民の避難措置等がとられませんでした。また、事故が起こった4月下旬には、旧ソ連の南部地域では既に放牧が行われていたため、牛乳の汚染等が起こりました。
1998年から2008年の間、ホールボディ・カウンタを用いて、ブリヤンスク州の住民のセシウム137の体内放射能を測定した結果、期間中の体内セシウム137の中央値は20~50Bq/kgで推移しつつ、2003年まで低下していましたが、2004年から上昇傾向が見られています。これは、特に高度に汚染された地区の住民が2004年以降の測定対象に含まれたことや、立ち入り禁止区域の縮小に伴い、住民が汚染された森に出入りしやすくなっていることなどが一因と考えられますが、いずれにしても、チェルノブイリ原発事故では、セシウム137による被ばくが長期にわたって続いていることが分かります。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2019年3月31日

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