放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和2年度版、 HTML形式)

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第2章 放射線による被ばく
2.4 線量測定と計算

摂取量の推定のための放射能測定法

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内部被ばく線量の計算に必要となる摂取量の推定には、体の中から出てくるγ(ガンマ)線等を直接測る体外計測法と、尿や便等の試料中にある放射性物質の量を測るバイオアッセイを用いる方法があります。
体外計測法では、測定時間が長ければ長いほど正確な値が得られます。しかし体外計測器は、人体からの放射線と同時に、環境からの放射線も計測するので、空間線量率が高い場所で測定する際には、環境からの放射線の遮へいを十分に考慮する必要があります。またγ(ガンマ)線やX線を出さない放射性物質については計測することはできません。
バイオアッセイでは、あらゆる放射性物質を測定することができますが、1回の試料採取では正確な数値を得ることができず、数日間分の試料(尿・便等)をためる必要があります。放射性物質の排出量が、個人によって、また体調や飲食量等でも変動することを考えると、体外計測法よりも誤差は大きくなると考えられます。
これらの方法で得られた結果から、放射性核種の摂取シナリオ、化学形、摂取経路(吸入、経口)等を勘案し、どのくらいの割合の放射性物質が体に残っているか、排泄物中にあるかを数理モデル(上巻P55「内部被ばく線量の算出」)から計算し、摂取量を求めます。どちらの方法も、検出された放射性物質をいつ取り込んだか判断が難しい場合には、割り出された被ばく量の誤差が大きくなります。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2021年3月31日

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