放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第4章 防護の考え方
4.4 長期的影響

環境中での放射性セシウムの動き:水中から植物への移行

環境中での放射性セシウムの動き:水中から植物への移行
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田植えの代かきで田に水をはると、セシウムが溶け出した溶存態と土壌粒子などにくっついて浮遊する懸濁態がありますが、土壌に吸着もしくは固定化している状況では、溶存態は極めて少なく、懸濁態の状態では水稲の根や茎から直接吸収されることはありません。(左図)
また、ため池や水路等における水中のセシウムは時間とともに、土壌に吸着もしくは、固定化されます。このため、福島県内の調査結果では、河川の流量が少なく、濁りが少ない状態では、大部分の放射性セシウムは溶存態で存在しますが、その濃度は通常の放射能濃度測定の検出限界(約1ベクレル/L)より低い濃度です。
右の上図に示すように、大雨時など河川の流量が増加(高水時)すると、浮遊懸濁物質の濃度が高くなりますが、この懸濁物質には放射性セシウムが強く吸着されています(懸濁態)。そのため、高水時には溶存態の放射性セシウム濃度はあまり変わらず、懸濁態の放射性セシウム濃度だけが高くなりますが、時間とともに低下します。また、河川の流量の増加に伴い、浮遊懸濁物質の粒径が大きくなり、河川水は濁ります。この濁りはろ過で取り除くことができます。これまでの福島県・請戸川の調査事例では、右下の表に示すように通常時の放射性セシウム濃度は飲料水基準値(10ベクレル/L)を下回っていますし、高水時でも増加した懸濁態をろ過することにより上澄み水では、放射性セシウムは検出限界(約1ベクレル/L)以下となります。

本資料への収録日:平成29年3月31日

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