放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.7 がん・白血病

甲状腺がんについての専門家会議中間取りまとめの評価

甲状腺がんについての専門家会議中間取りまとめの評価
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東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議では、線量把握・評価、健康管理、医療に関する施策のあり方等を専門的な観点から検討しています。
平成26年12月に中間取りまとめを公表し、その中で「県民健康調査」の甲状腺検査先行検査で発見された甲状腺がんについては、「原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められない。」と評価しています。
ただし甲状腺検査の継続の必要性については、以下のように指摘しています。
・「被ばく線量の推計における不確かさに鑑み、放射線の健康管理は中長期的な課題であるとの認識の下で、住民の懸念が特に大きい甲状腺がんの動向を慎重に見守っていく必要がある。」(「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」中間取りまとめ(平成26年12月))
・「放射線の影響の可能性は小さいとはいえ現段階ではまだ完全には否定できず、影響評価のためには長期にわたる情報の集積が不可欠であるため、検査を受けることによる不利益についても丁寧に説明しながら、今後も甲状腺検査を継続していくべきである。」(福島県「県民健康調査」検討委員会中間とりまとめ(平成28年3月))
・「科学的研究の関する主な優先事項として、「現在のプロトコルに基づき、福島県での健康調査および小児の超音波検査を続ける」が位置づけられている。」(原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)2013年報告書)

本資料への収録日:平成30年2月28日

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