この表のように、土壌中のヨウ素濃度が高い地域に比べ、ヨウ素濃度が低く、ヨウ素の摂取量が足りない地域では、1グレイ当たりの甲状腺がんの過剰相対リスクが高いという報告もあります。このデータが得られたチェルノブイリ周辺地域は内陸に位置しており、周辺に海がないため、土壌中のヨウ素濃度が低い地域です。また、ヨウ素を多く含む海藻や海の魚を食べる習慣にも乏しくなっています。
一方で日本の場合には、全体的にチェルノブイリ周辺地域より土壌中のヨウ素濃度が高い上、ヨウ素の摂取量が海外諸国に比較して多くなっています。そのため、チェルノブイリ周辺地域でこのようなデータがそのまま当てはまるわけではありません。
(関連ページ:上巻P93「相対リスクと寄与リスク」)
本資料への収録日:平成25年3月31日
改訂日:平成30年2月28日