放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和5年度版、 HTML形式)

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第10章 健康管理
10.3 甲状腺検査

甲状腺検査と他県調査の比較

甲状腺検査と他県調査の比較
甲状腺検査と他県調査の比較
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検査開始当初、A2判定の方の割合が多いのではないか、と不安の声が多く挙がったことから、2012年度に、環境省が主体となり、長崎県、山梨県、青森県の3県で、約4,300人の子どもたちを対象に、福島県と同じ方法による甲状腺検査を実施しました(以下「三県調査」という。)。

福島県の先行調査は震災時0~18歳、本格検査(検査2回目)では検査時2〜23歳が対象であったのに対し、3県の調査では3~18歳が対象にされ、3歳未満は対象になっていません。また、三県調査の場合、調査対象集団のサンプルサイズが小さいため、両調査結果だけをみて単純に比較することはできません。しかし、福島県の子どもたちに際立ってA2判定が多いわけではないことが分かりました。また、三県調査において2010年の日本の人口構成で年齢調整した結果、のう胞の発見率は52.35%、結節の発見率は1.54%と報告されており1、甲状腺検査の先行検査および本格検査(検査2回目)の結果と類似していました。また、三県調査の報告書では、「一般的に、3~5歳の集団では結節性疾患の有所見率が、6歳以上の集団に比べて低く、また女性は男性よりも有所見率が高いことが知られている。このため、今回のような単純な記述統計に基づく有所見率は、本来の値よりも高めに集計されている可能性がある。」2と考察されています。実際、2歳以下の対象者を含まない本格検査(検査2回目)では、A2判定の比率は三県調査の比率と極めて近い結果を示していました。

1. Hayashida N, et al. Thyroid Ultrasound Findings in Children from Three Japanese Prefectures: Aomori, Yamanashi and Nagasaki. PLoS One. 8(12): e83220, 2013.

2. 特定非営利活動法人日本乳腺甲状腺超音波医学会「平成24年度甲状腺結節性疾患有所見率等調査成果報告書」(環境省委託事業)2013年3月

本資料への収録日:2014年3月31日

改訂日:2022年3月31日

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