低線量率被ばくと高線量率被ばくでは、影響の出方は違うと考えられています。
右図は原爆被爆者のデータと、ケララ(インド)のような高自然放射線地域住民のリスクを比較したものですが、ケララでは積算線量が数百ミリシーベルトになってもがんの相対リスク(被ばくしていない人を1としたとき、被ばくした人のがんリスクが何倍になるかを表した値)の増加が見られません。信頼区間(グラフ上のエラー・バー)の幅も非常に大きいことから、更なる検討が必要ですが、慢性被ばくの場合、急性被ばくよりもリスクが小さくなることが示唆されます(上巻P116「低線量率被ばくの発がんへの影響」)。
(関連ページ:上巻P99「相対リスクと寄与リスク」)
本資料への収録日:2013年3月31日
改訂日:2018年2月28日
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