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化学物質アドバイザーの紹介

制度の背景

化学物質やそれらを含む製品自体は私たちの日常生活に非常に身近なものになっていますが、化学物質による影響やその仕組みは多くの人々にとって極めて難解です。このような中で、市民の安全と安心を確保するためには、化学物質に関する正確な情報を市民、産業、行政等のすべての者が共有しつつ、相互に意思疎通を図る必要があります。これをリスクコミュニケーションといいますが、現在のところ化学物質のリスクコミュニケーションは十分には進んでいません。

このため、第二次環境基本計画(平成12年12月22日閣議決定)ではリスクコミュニケーションの推進のための化学物質関連情報の提供や人材の養成が重点的取組事項として掲げられました。PRTR制度により、身の回りの化学物質の環境への排出量・移動量が分かるようになり、リスクコミュニケーションの重要性は一層大きくなってきました。

リスクコミュニケーションに資する人材育成について、環境省ではこれまで検討を進めてきました。その中でも、化学物質に関する正確な情報を分かりやすく伝えることにより対話の推進に役立つことのできる人材(化学物質アドバイザー)の育成・活用に着手することとし、その一環として、化学物質アドバイザーのニーズや求められる能力・業務等を把握することを目的に、研修・登録・派遣を行うパイロット事業を平成15年度に開始しました。

※本パイロット事業は、化学物質アドバイザーのあり方、研修方法等につき、得られる情報等をもとにさらに詳細な検討を行うためのものです。従って、よりよい制度の構築のため予告なく、本制度を変更・中止する場合があります。正式な制度発足時には、改めて御案内します。

※「化学物質アドバイザー」は仮称です。パイロット事業期間中は、仮称であることの断りなくこの名称を用います。

制度発足の経緯

リスクコミュニケーションを進めるために必要な人材のあり方や育成について、環境省では識者の意見を聞きながら検討を進めてきました。その結果、平成14年度にここにある「化学物質アドバイザー」の考え方をまとめました。平成15年度に化学物質アドバイザーの派遣を開始し、リスクコミュニケーション現場での活動を通じて様々な情報を収集し、更に検討を進めています。

なお、現時点での化学物質アドバイザーの考え方をまとめていただいたのはこちらの方々です。また、これまでの議論の経緯はこちらの資料(PDF:302KB)にまとめましたので御覧下さい。

リスクコミュニケーションのさらなる普及に向けて

平成24年4月27日に閣議決定された第四次環境基本計画では、安全・安心の一層の増進に向けて、国民、事業者、行政等の関係者が環境リスクに係る理解を共有し、信頼関係を高めるため、リスクコミュニケーションを一層推進することが重点的取組事項に挙げられました。

また、第四次環境基本計画を踏まえ、我が国のSAICM(国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ)実施に係る具体的な施策を盛り込んだSAICM国内実施計画においても、国は化学物質アドバイザーの活用等による、地域におけるリスクコミュニケーションの促進を支援することが取組事項として示されています。

化学物質アドバイザーの活用により、リスクコミュニケーションが盛んになった地域もありますが、国内全体を見渡すと、十分に進んでいるとは言えない状況です。第四次環境基本計画やSAICM国内実施計画が後押しするように、本パイロット事業の活用を図りつつ、さらにリスクコミュニケーションが普及していくことが期待されます。