瀬戸内海は、多数の島々、瀬戸、灘、大小の湾があり地形的に極めて複雑な閉鎖性海域である。また、多数の流入河川があるため魚介類の生育に必須の栄養分が豊富であり、単位面積当たりの生産性は極めて高い。瀬戸内海水産開発協議会(事務局:水産庁瀬戸内海漁業調整事務所内)の調査によると、一部川と海を往復する魚を含めて総計22目、99科、2,192種の魚類が生息している。
平成19年度における漁業生産量は約48万トンである。海面漁業生産量は約20万トン、海面養殖業生産量は約28万トンであり、海面養殖業生産量が海面漁業生産量の約1.5倍となっている。
瀬戸内海における漁業生産量及び海面漁業生産量は、昭和60年頃に最大となり、その後減少する傾向にある。この要因として、藻場・干潟の減少等により魚介類の生息環境が悪化していることが挙げられ、魚種別には「まいわし」、「かたくちいわし」、「いかなご」、「あさり類」の生産量が昭和60年代から急減している。海面養殖業生産量は昭和63年頃までは増加傾向にあり、近年では、概ね横ばいに推移している。のり養殖事業の発展やはまち養殖業等集約養殖業の導入あるいは種苗放流といった増養殖事業が進展したことによるものと考えられる。
注)漁業法による瀬戸内海の範囲は、瀬戸内海環境保全特別措置法に よって定められた海域から、豊後水道、響灘を除く海域となっている。
海面漁業魚種別生産量構成
海面養殖業魚種別生産量構成
注) 「ぶり類養殖」、「のり類養殖」、「わかめ類養殖」は、秘匿措置分を 含まない値であり、秘匿措置分は「その他」に含まれる。
出典:「瀬戸内海区及び太平洋南区における漁業動向」 (農林水産省中国四国農政局統計部) 農林水産省近畿農政局統計部資料 農林水産省中国四国農政局統計部資料 農林水産省九州農政局統計部資料
瀬戸内海における漁業生産量の推移
出典:「瀬戸内海区及び太平洋南区における漁業動向」 (農林水産省中国四国農政局統計部) 農林水産省近畿農政局統計部資料 農林水産省中国四国農政局統計部資料 農林水産省九州農政局統計部資料
瀬戸内海における魚種別生産量の推移
注) 「あじ類(まあじ)」は、昭和52年までは「あじ類」、 昭和53年以降は「まあじ」となっている。 出典:「瀬戸内海区及び太平洋南区における漁業動向」 (農林水産省中国四国農政局統計部) 農林水産省近畿農政局統計部資料 農林水産省中国四国農政局統計部資料 農林水産省九州農政局統計部資料