環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第1部第1章>第3節 地域循環共生圏の構築

第3節 地域循環共生圏の構築

1 地域の再生可能エネルギーを活用する取組

(1)エネルギーの地産地消の意義

環境省が、風況や日照等の統計データを基に、一定の経済的条件を設定して試算した結果、我が国全体で、エネルギー需要の最大約1.8倍の再生可能エネルギー供給力(1.8兆kWh)があると推計しています。再生可能エネルギーのエネルギー源は、太陽光、風力、水力、地熱など、基本的にその土地に帰属する地域条件や自然資源であるため、その導入ポテンシャルは、都市部より地方部において高くなっています(図1-3-1)。例えば、水力発電に関しては、発電利用されていないダムも存在し、それらを活用することも重要です。なお、地方公共団体においても、ごみ発電、公営水力発電や太陽光発電など自前の電源を数多く所有しています。

図1-3-1 再生可能エネルギーの導入ポテンシャル(市町村別)

他方で、各地域のエネルギー代金の収支を見てみると、2013年時点で9割を超える自治体において地域のエネルギー収支が赤字となっており、地域外に資金が流出している状況にあります(図1-3-2)。そうした資金を再生可能エネルギーの導入や投資に回すことで、エネルギー収支を改善し、足腰の強い地域経済を構築するとともに、新たな雇用を創出し、災害時の強靱(じん)さ(レジリエンス)の向上にもつながる効果が期待されます。環境省の試算では、2030年の温室効果ガス排出26%削減に必要な再生可能エネルギーや省エネルギーの投資を行うと、ほぼ全ての自治体で域内総生産(GRP)が増大し、全国で計約3.4兆円の経済効果が得られると推計しています。

図1-3-2 各自治体の地域内総生産に対するエネルギー代金の収支の比率(2013年)

再生可能エネルギーの導入には、ほかにも様々な効果が考えられます。例えば、再生可能エネルギーで得た収益を活用して子育て支援を進めたり新たな産業を興したり、エネルギーの需給関係を通じた地域内のつながりや都市と農山漁村での交流を活発にするなど、再生可能エネルギーから始まる地域づくりも可能です。また、地域の木質バイオマス資源を活用することで地域資源が循環し、更には適正な森林の管理が生物多様性の保全につながるように、再生可能エネルギーの導入は、他の環境保全上の効果をもたらし得るものです。

近年、輸入材を利用した発電所の事業計画の認定が増えてきていますが、間伐材等の未利用木材を利用した取組は、化石資源の代替と長距離輸送の削減によって低炭素・省資源を実現しつつ、健全な森林の維持・管理に貢献することで、生態系サービスの維持・向上に資するとともに、地域への経済効果や雇用機会の増大をもたらすことが期待されています。

コラム:地域経済循環分析

環境省では、環境政策を通じた地域の経済的・社会的な課題解決を図る観点から、地方公共団体等における政策立案等の支援を目的として、地域の経済循環構造を把握する「地域経済循環分析」を開発し、2017年7月からウェブサイト上で分析資料を自動作成するツールを提供しています。

地域経済循環分析は、「生産された価値が分配され、支出(消費、投資等)により再び生産へと循環する」という地域における一連の資金の流れ「経済循環構造」を、様々な経済指標から「見える化」して地域の産業・経済の全体像を把握する「地域経済の健康診断」です。この分析を用いることで、これまで統一的な経済指標が少なく定量的な分析が難しかった市町村単位の経済循環構造を把握することが可能になります。さらに、複数の市町村を任意に組み合わせて都市圏・商圏・流通圏単位等でまとめた分析も可能で、地域間連携等の検討にも活用することができます。

分析に用いる指標として、生産面(生産額、付加価値額等)、分配面(雇用者所得額等)、支出面(域際収支額、民間消費・民間投資・エネルギー代金の流出入等)の経済指標に加えて、地域内の他産業に対する影響力や生産誘発額、エネルギー消費量等のデータを産業別に備えています。各指標から把握可能な分析結果の例として、生産面では、生産額から「産業の規模」、付加価値額から「粗利益(所得)」を把握することで、「機材や原材料を地域外から調達している割合が高い産業においては、規模の大きさが地域の所得につながる訳ではない」といった結果が見えてきます。また、分配面では雇用者所得額から「雇用者所得が高く、地域住民の生活を支えている産業」、支出面では域際収支額から「地域外から稼いでくる力のある産業」、民間消費・民間投資・エネルギー代金の流出額から「関連する政策を実施した場合に、地域内に環流できる資金の規模」等の結果を把握することができます。さらに、これらの指標を組み合わせることで「地域の主力となる産業」といった、より深い分析を行うことが可能です。

今般、環境施策の経済波及効果をシミュレーションできるツールを構築し、2019年1月からウェブサイトを通じて提供を開始しました。本ツールでは、選択した市町村において、再生可能エネルギー導入等の環境施策を実施した場合、地域にどれだけの経済波及効果が生まれるか分析できます。地域経済循環分析の基礎データを活用することで、当該市町村の産業構造を反映した分析結果を得られるため、地域経済循環分析と組み合わせることにより、「地域の特長を生かした環境政策」を立案することが可能です。

経済波及効果分析ツールの出力結果(木質バイオマス発電・1,500kWの例)

コラム:再生可能エネルギーの活躍による地域のレジリエンスの向上

再生可能エネルギーの導入・投資は、エネルギーの地産地消や地域への経済効果がありますが、再生可能エネルギーの活用は災害時のレジリエンスの向上にもつながります。

例えば、2018年9月の北海道胆振東部地震による停電時には、北海道厚真町が同町の中学校に設置した太陽光発電設備等を活用して、約140名の避難者を収容できる避難所を設置することができました。また、平成30年台風第21号による停電時には、岐阜県東白川村が村役場庁舎に設置した太陽光発電設備等を活用し、災害対策本部を設置して倒木等の災害発生箇所の把握や職員への対応指示等を実施することができました。

東白川村役場での避難訓練の様子
(2)地域新電力の広がり

再生可能エネルギーの導入が進むドイツでは、「シュタットベルケ」による地域資源を有効活用した地域エネルギー供給の取組が進んでいます。シュタットベルケとは、自治体が出資し、電力、ガス、水道、公共交通など、地域に密着したインフラサービスを提供する公益事業体のことです。電力、ガス等のエネルギー事業の黒字でバス交通等の不採算事業の赤字を埋めることで、インフラサービス全体を持続的に維持しています。人口減少で地方のインフラの維持が課題になる我が国において、このような仕組みは大変参考になります。

我が国においても、地域のエネルギー企業が、地域の再生可能エネルギーを活用し、地域内にエネルギー供給する事例が多数出てきています。環境省の調べでは、地方公共団体や地域金融機関が関与し、地域の再生可能エネルギー資源を活用している地域エネルギー企業の数は、2019年2月時点で46となっており、こうした地域での取組は全国各地へ広がりつつあります。地域の資源を活用した電力を供給し、エネルギーを効果的に地産地消することで、地域の資金を地域で循環させることが可能となります。

事例:省エネ支援も行う地域の総合エネルギーサービス会社(株式会社浜松新電力)

株式会社浜松新電力は、浜松市と地域内外の企業8社の共同出資により、2015年10月に設立されました。2016年4月には、電力小売全面自由化に合わせて再生可能エネルギーによる電力等の供給を開始しています。

同社は、日射量が多いという浜松市の地域特性を踏まえ、太陽光発電を中心に、バイオマス発電も加えた市内の再生可能エネルギー等による電力を市内の小中学校等の公共施設や民間事業者に供給し、エネルギーの地産地消に取り組んでいます。2018年10月時点では、16,603kWの電力供給を行っています。

また、電力の売買のみならず、市内の中小企業に対してエネルギー・経営の専門家による無料の省エネ支援を行うとともに、例えば、今後、市内各エリアの自立分散型エネルギー導入等、スマートプロジェクトの事業化に際し調整機能を担うなど、地域の総合エネルギーサービス会社に向けた取組を進めています。

浜松・浜名湖太陽光発電所

事例:都道府県初の地域新電力(株式会社やまがた新電力)

株式会社やまがた新電力は、山形県が3分の1を出資し、民間企業と共同で2015年9月に設立した都道府県が出資する初の地域新電力会社で、2016年4月から事業を開始しています。同社は、県内の商工会議所、経営者協会、銀行協会等が関わることにより、県と県内の経済界が一体となった「オール山形」の事業運営を行っていることが特徴の一つで、エネルギーの地産地消、地域経済の活性化、災害対応力の向上等を推し進めることより、「やまがた創生」の実現を目指しています。

主に県内の太陽光、風力、バイオマス、水力等の再生可能エネルギー発電事業者から電力を買い取り、2018年8月時点で、県や市町村が所有している県内の事務施設や教育施設等の公共施設を中心に、122施設へ電力を供給しています。また、電源構成も再生可能エネルギーが約8割を超えるなど、地域の資源を活用した取組が進められています。

2018年11月からは、社員雇用を行い需給調整業務を内製化することによって、地域への電力事業の地域貢献と委託費の削減を図っています。

事業体制図、平成29年度の電源構成(再エネ比率)

事例:日本型のシュタットベルケの設立に向けた支援(一般社団法人日本シュタットベルケネットワーク)

一般社団法人日本シュタットベルケネットワークは、我が国特有の特徴も取り込みながら、地域における電力小売事業等を設立し、同事業から得られる収益を地域が抱える様々な課題の解決に利用していく日本版シュタットベルケの創出やその経営の安定化等に資することを目指して、2017年8月に設立されました。賛助会員として32の自治体(2019年3月15日時点)が加盟しています。

同法人では、日本型のシュタットベルケの設立に向けて、全国で支援を行っています。法人の設立から2019年3月までの間に、地域エネルギー事業の専門家としての助言等の支援を3つの自治体へ行いました。また、定期的に勉強会やシンポジウムを開催するなど、情報発信しています。

今後は、更に多くの自治体新電力会社の設立を支援し、連携を支える活動を強化するとともに、会員向けの定期的な情報提供、情報交換の場の構築に向けた活動を推進することとしています。

シンポジウムの様子

事例:複数の地域新電力が自立・分散・協調するビジネスプラットフォーム(一般社団法人ローカルグッド創成支援機構)

一般社団法人ローカルグッド創成支援機構は、「地域資源の地産地消」、「地域間の取組連携/協調」を推進し、地域に魅力ある強いビジネスを作ることで、地域活性化や地球環境の保全等に資する「地域に良い(ローカルグッド)」取組を支援することを目的に設立され、2019年3月時点で、23団体が会員として参加しています。

同法人では、複数の地域新電力が自立・分散・協調するビジネスプラットフォームを作成し、地域のガス会社、発電事業者、ケーブルTV等のローカルなプレイヤーに対して、地域に有益な強いビジネスに育成するインキュベーションプログラムを実施しています。このプログラムにより、未経験の地元雇用者に対しても需給管理のトレーニングの実施や需給管理システム、CIS(顧客情報システム)、料金計算システム等のシェア等、ローカルプレイヤーは地元雇用でビジネスを内製化し、ノウハウを蓄積し、かつ大手同様のコスト競争力を得ることができるようになっています。

2018年12月時点で、契約数が16,726件、年間の電力供給量3.7億kWhと、会員によるエネルギーの地産地消が広がっています。また、会員である地域新電力の8社により、年間56.1億円の経済循環も生み出しており、地域経済への貢献につながっています。

「ローカルグッド創成支援機構」の構造
(3)地域の再生可能エネルギーを活用した新たな地域交通モデル

地域のニーズに対応した新たな脱炭素型地域交通型モデルとして、E-mobility(電気自動車(EV)、電動二輪、電動バス、グリーンスローモビリティ等)を活用した取組が注目されています。自動車産業では、世界的にCASE(コネクト、自動運転、シェア、電動化)がトレンドとなっており、これを踏まえ、IoTを駆使して地域最適なE-mobilityの運行を目指すというものです。これによって、地域のあらゆる移動ニーズに応えながらモビリティからのCO2の直接排出をゼロにすることも可能です。例えば、グリーンスローモビリティ(電動で、時速20km未満で公道を走ることが可能な4人乗り以上のモビリティ)は、地域住民の足としてだけでなく、観光客向けのモビリティ、ちょこっと輸送、地域のブランディングなど、新たな可能性を秘めています。その電源に、太陽光発電など地域の再生可能エネルギーを活用することで、地域の環境価値に経済価値を付与しながら、移動の脱炭素化も実現することもできます。また、2019年11月以降に固定価格買取制度の買取期間が終了を迎える再生可能エネルギー由来の電力の活用することも考えられます。

2 地域の循環資源を活用する取組

(1)資源循環体制の構築による地域の課題解決

廃棄物処理施設を地域のエネルギーセンターとして、廃棄物エネルギーの供給による地域産業の振興、災害時の防災拠点としての活用、環境教育・環境学習の場の提供等の機能を備えることにより、地域の課題解決や地域活性化に資する廃棄物処理施設整備を進めることが重要です。

また、家畜ふん尿、食品廃棄物、下水汚泥、プラスチック、金属等の循環資源も「地域循環共生圏」の創造に不可欠な地域資源です。循環資源は、技術的・経済的に可能な範囲で環境負荷の低減を最大限考慮することで、狭い地域で循環させることが適切なものはなるべく狭い地域で循環させ、広域で循環させることが適切なものについては循環の環を広域化させるなど、各地域・各資源に応じた最適な規模で循環させる必要があります。

廃棄物等の適正な処理を前提としつつ、循環資源そのものや地域の特性等に対しての従来からの見方や捉え方を変えることで、これまで未活用であった循環資源を最適な規模で循環させることができ、廃棄物処理施設や最終処分場の安定確保や廃棄物処理の効率化が可能となるのみならず、新たなビジネスによる雇用創出や地域活性化等にも結び付くことが期待できます。

事例:紙おむつマテリアルリサイクル(鹿児島県志布志市、鳥取県伯耆町)

鹿児島県志布志市は、廃棄物焼却施設を設置せず、隣接する同県大崎町とともに、廃棄物を可能な限り再利用するという地域づくりを進めています。その結果、同市のリサイクル率は74.7%に達し、12年連続で全国の市の中で日本一を継続しています(2019年3月時点)。一方、焼却施設を持たないため、リサイクルできないものについては最終処分場で埋立処分を行っており、ごみの減量化が課題になっています。

そこで同市では、市内から出るごみの約2割を占める紙おむつについて、再資源化することで課題解決に貢献できる可能性があること、地球温暖化対策に資することから、2016年度に再資源化の効果等について調査を実施しました。また、民・学・官・産・金からなる志布志市紙おむつ再資源化推進協議会を設立し、実証実験を行いつつ、紙おむつ再資源化事業の取組の検討を行っています。引き続き、IoTの活用を含めた効率的な収集運搬を進めるなど、2020年の稼働に向けた検討・準備を行っています。

また、このほかにも、鳥取県伯耆町では、老朽化していた焼却炉の合理化等を背景に、使用済紙おむつを病院や老人福祉施設から収集し、破砕・乾燥・滅菌して燃料化する取組が進められています。製造された固形燃料は、同町の温泉施設のボイラの燃料として使用しており、可燃ごみや燃料費、CO2の排出量の削減や、焼却炉の延命につながっています。

紙おむつマテリアルリサイクル事業スキーム、紙おむつ回収の看板、製造された紙おむつペレット

事例:畜産から水素を作って循環(北海道鹿追町)

北海道鹿追町は、酪農と畑作を主体とした農業が営まれている地域で、大量に発生する家畜ふん尿の処理が課題となっていました。そこで、従来は農家が個別に処理していた家畜ふん尿を、集中型のバイオガスプラントで処理する取組を開始しました。この取組によってメタンガスをエネルギーとして活用するだけでなく、発生する消化液を農場に還元できることから、環境負荷の少ない取組が進められ、畜産農家の負担軽減にもつながりました。また、施設から発生する余剰熱をマンゴーを栽培するビニールハウス、チョウザメの飼育、さつまいもの長期保存に活用するなど、地域の産業振興にも貢献しています。

現在は、バイオガスから水素を製造し、燃料電池によって電気・熱を供給したり、燃料電池自動車、燃料電池フォークリフト等で利用したりする低炭素水素サプライチェーンモデルの構築実証を行っており、地域資源の循環による脱炭素に向けた取組も進められています。

地産地消型水素社会のイメージ図、しかおい水素ファームの開所式

事例:「ゼロ・ウェイスト」ごみのない社会へ(特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミー)

徳島県上勝町では、2003年に日本初のゼロ・ウェイスト宣言を行い、ごみを生み出さない社会形成を目指して取組を進めています。2005年には、行政ではなく民間によるゼロ・ウェイスト活動の推進主体を作るため、同町の主導により特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミーが設立されました。

同法人では、町民に対しての分別指導やリサイクル業者の調査等を継続的に行い、2016年からは、今までの取組も踏まえて45の項目にわたるごみの分別を推進しています。その結果、2016年度の同町のリサイクル率は81%に達し、全国の市区町村で第2位になりました。また、使われなくなったこいのぼりや着物の新しい商品へのアップサイクルや、まだ使えるものを地域内で循環させるリユースショップの拠点運営、ビジネスのゼロ・ウェイスト活動を認証する仕組みなどを通じて、循環型社会の形成に取り組んでいます。

全てのものが無駄にされず、地球・自然から得られたものがきちんと過不足なく循環している持続可能な社会を目指して、人の意識・行動を変えること、ものを使う人・使い方を変えることや社会の仕組みを変えることを通じて、ごみをごみでなくすことに取り組んでいます。

この取組は、2018年の環境省の第6回グッドライフアワードで環境大臣賞最優秀賞を受賞しました。

リユースショップ「くるくるショップ」、上勝町ゼロ・ウェイスト認証店マップ

3 地域の自然資源を活用する取組

(1)自然資源の活用による地域経済の活性化

私たちの暮らしは、豊かな飲み水、きれいな空気、食料や資材、自然の上に成り立つ特色ある文化やレクリエーションなど、森・里・川・海やその連環が形成する豊かな自然の恵み(生態系サービス)によって支えられています。こうした自然の恵みは地域の資源と捉えることができ、それらを活用することにより、地域ならではの文化・風土に即した独自の豊かさの実現につながる可能性があります。それぞれの地域が生み出すモノやサービスの付加価値を高めていくことが求められる中、特に地域の自然とのつながりが深い農林水産業や観光業においては、自然の恵みを地域資源として、地域産業や地域そのものもブランド化し、活用できる可能性を秘めており、様々な地域で取組が進みつつあります。

事例:コウノトリブランド確立による環境保全と農業活性化の両立(コウノトリ定着推進連絡協議会)

徳島県鳴門市は、吉野川下流域の低湿地を活かしたレンコン栽培が盛んな地域であり、2015年2月、レンコン畑の広がる同市に2羽のコウノトリが飛来しました。この地域では、環境保全型農業が推進されていたことで、餌資源が豊富であったこともあり、コウノトリが繁殖行動をとるようになりました。このことをきっかけとして、同年5月には、環境配慮型農業の拡大・推進を図り、コウノトリの舞う国土づくりを目的として、徳島県、鳴門市、生産者団体、大学、野鳥研究団体など、地域内の10団体(2019年3月時点では11団体)で構成されたコウノトリ定着推進連絡協議会が設立されました。

認証を受けたレンコン

その後、2017年、2018年と計5羽のコウノトリが巣立ちました。これは国内の野外個体が姿を消して以降、兵庫県但馬地域周辺以外では初めてのことでした。そして、2019年年初時点で、この地域に定着、滞在する個体数は10~20数羽に上ります。

同協議会では、レンコン農家の化学肥料の使用量を更に削減するための有機肥料の開発、ビオトープの整備、魚道の設置試験等を進め、環境配慮型農業を実践する農家の確保を進めています。

また鳴門市は、エコファーマー認定を受け、かつコウノトリの生息を助ける農業を行う農家のレンコンとその加工品を「コウノトリおもてなし」ブランドとして認証する制度を制定しました。現在は、JA徳島北が、認証を受けかつ特別栽培で生産した「コウノトリおもてなしれんこん」と「れんこん葉茶」を販売しており、農家の収益確保や新規就農の促進にもつなげようとしています。

コウノトリのロゴマーク

事例:民間企業と連携した国立公園グランピング

日本の国立公園について、世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化を目指す国立公園満喫プロジェクトでは、国立公園の雄大な自然をはじめ、その場所でしか体験できない上質な宿泊体験を求める旅行者ニーズに対応する一環として、環境省のキャンプ場等にて民間事業者のノウハウを取り入れたサービスの提供や民間事業者及び地域と連携したグランピングの取組を進めています。グランピングとは、グラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語で、テント設営や食事提供など高付加価値なサービスを提供することで、アウトドア初級者でも自然を満喫したキャンプが体験できる形態です。

阿蘇くじゅう国立公園では、株式会社スノーピークと連携して、地域のアクティビティやダイニングテントでの地域食材を活用したディナーなどグランピングのモデル事業を実施し、日光国立公園では、株式会社Wonder Wanderersが湯元キャンプ場において、アウトドアでホテル並みのサービスを提供する「旅するアウトドアホテル”The Caravan”」を地域のシェフやアクティビティと連携して実施するなど、民間事業者と連携した取組が進められています。

ASO Glamping、旅するアウトドアホテル”The Caravan

事例:民間事業体が行う地域ぐるみの小規模分散型熱供給システム(福井県あわら市、坂井市)

福井県あわら市と坂井市の三国エリアでは、豊富な森林資源の有効利用を持続的に継続させるための事業モデルの開発を目指して、同県、両市、森林組合、地元民間企業、宿泊施設、金融機関等によって、「あわら三国木質バイオマスエネルギー事業協議会」を設立し、2013年から4年間にわたり、「木質バイオマスエネルギーを活用したモデル地域づくり推進事業」等により、様々な視点からの検討を行ってきました。2017年には、事業実施のめどが立ち、地元企業と森林組合の出資による熱供給事業会社「もりもりバイオマス株式会社」を設立し、民間事業形式による熱供給事業をモデル化及びマニュアル化することで、地産地消の熱エネルギーを安定・安価で持続的に提供しています。

同協議会においては、森林組合による未利用の間伐材や林地残材を集約し、木材チップの製造、運搬等の一定品質の燃料の安定調達を行っています。木質ボイラの設計・工事・稼働、コストダウン手法の開発、高品質で低価格のチップ・ペレットの開発、それらの調査等の実証事業を通じた詳細な調査・検討による木質ボイラ導入コストの低減等にも取り組みました。また、同社では、3か所の宿泊温泉施設において、以前から使用していた重油ボイラ等の一部をチップボイラに置き換え、給湯、暖房等の熱源として利用しています。チップボイラ導入前と比較して、年間の重油使用量を47.5%削減できるとの試算がされています。

木質ボイラの設備管理、燃料供給等の一切は事業者側が責任を持ち、利用者は、単に熱を購入するだけで良い、という設備投資不要のメリットを大きな特色とした取組を進めることにより、地域が主体となったエネルギー地産地消を推進しています。

チップボイラとチップ供給、熱供給事業の流れ

事例:地域産材で造る庁舎で、人と資源の輪をつくる(長野県朝日村)

長野県朝日村では、豊富な森林資源を活かし、保育園やキャンプ場コテージの施設、小学校の机・椅子など、公共施設に地域のカラマツ材を積極的に活用してきました。2018年5月に開庁した新しい村役場の庁舎の建設に当たっても、カラマツ等の地域材を活用し、さらに、県や県内企業が開発した建材の採用や、地域材の伐採・製材加工・建設工事・家具製作の大部分に県内の地元業者が携わることで技術・経験が地域に蓄積し、人材の育成・担い手の発掘につながるような取組となっています。庁舎棟の村民交流ホール、併設した店舗棟、各棟の間に設けた軒下テラスは人が気軽に立ち寄り集える交流拠点と位置づけ、マルシェや各種イベントを気軽に行える空間としています。また、地域材での庁舎の建設と併せて、地中熱・太陽光といった再生可能エネルギーを導入しています。同村が一定の条件の下推計を行ったところでは、執務室の冷暖房に地中熱エネルギーを利用することにより、従来の方式(暖房:灯油ボイラ、冷房:エアコン)と比較してエネルギー消費量は約6割、CO2排出量は約7割程度の削減が見込まれています。

朝日村役場

コラム:新宿御苑の一層の活用に向けた取組

国が管理する国民公園の一つである新宿御苑は、都心にありながら約60haの面積を有し、豊かな自然や庭園が楽しめる場所です。近年は来園者が増加しており、2017年度には年間250万人が来苑し、その約半数が外国人となっています。そのため、訪日外国人観光客への対応を含む来苑者の一層の満足度向上を目指し、開園時間の延長や、桜や菊花壇、紅葉等のライトアップ、休憩所等の施設の更新、国立公園に関する情報発信の強化など、旧皇室苑地としての特性も踏まえつつ、新宿御苑の更なる魅力向上を進めることとしています。

新宿御苑

4 地域間のつながりを活用する取組

(1)都市と農山漁村の交流・連携の意義

地方圏(三大都市圏以外の地域)では、出生率低下や若者の転出による人口減少と高齢化が同時に生じており、結果的に地方圏の方が国全体で見たときよりも人口減少・高齢化がより急速に進んでいます。そして、人口規模が小さい地域ほど、地方公共団体の財政力が脆(ぜい)弱な傾向があります。

こうした中、各地方の様々な主体同士が連携し、その地域の人材、資金、自然資源等を有効に活用しあって相乗効果を得ることで地域の活性化を図っていくことが重要です。これは、都市圏と地方圏の間でも同様で、都市圏には、地方圏に比して人材と資金が集まりやすい一方で、食料、水、木材といった物質やエネルギーの多くを地方圏を含む地域外から得ています。都市圏の人々が、地方圏からの農林水産品や自然の恵み(生態系サービス)等によって自らが支えられているということに気付き、人材や資金を地方圏に向けるよう発想することが必要です。このため、都市圏と地方圏が持続可能なまちづくりを行うためには、それらの地域の間で、自然のつながりや経済のつながり、更には人的なつながりといったつながり(ネットワーク)を強化し、地域の活性化につなげていくことが必要です。

事例:「銀寄栗(ぎんよせぐり)」と地域の豊かな自然資源がつなぐ里と街~経済性を伴った交流・連携を目指して~(大阪府吹田市、能勢町)

大阪府能勢町は銀寄栗(ぎんよせぐり)のブランドで知られるクリ林の維持管理活動により希少な蝶や植物の生息・生育場が保全され、生物多様性に優れた自治体ランキングで全国1位になるなど、生物多様性が豊かな地域として高く評価されています。同町では、自然と共生する能勢の栗栽培を農法としての価値とともに、歴史性や文化性、更には生物多様性保全機能等も明らかにしたうえで、世界(日本)農業遺産の認定申請を行いました。

また、同府吹田市では、市街化されている都市部でありながら、万博記念公園をはじめとした自然豊かな公園が多数存在し、自然との触れ合い等環境への関心の高い市民が多数存在しています。そこで、両市町が平成17年に締結したフレンドシップ交流協定に基づき、都市と農山村の経済性を伴った交流を目指した取組が平成28年度から始まりました。

その取組を推進するためのプラットフォームとして、「大阪生物多様性保全ネットワーク」に「街と里の連携推進部会」を設置し、街との連携によるクリ林再生プロジェクトとしてクリ林の自然観察や植樹活動を行うなど、生物多様性をはじめとした、里山の価値の維持、活用に向けた取組が行われています。また、吹田市内にある大学等との連携により、街と里のつながりを考える機会づくりとして、マルシェやイベントにより吹田市民等に情報発信を行い、それらを担う人材育成を推進しています。さらに、フォーラムにおいて両市町長が、里山資源を活用した施設等への木質化、木育グッズ、薪やチップといった未利用木質資源の利用の推進に行政として取り組む方向性を打ち出すとともに、多様な主体により構成された地域プラットフォームである「能勢の里山活力創造推進協議会」を設置し、「能勢材を吹田で使おうプロジェクト」を進めています。

これらの取組により、街と里の連携の意義等について両市町民の認知度が図られたことから、今後も街(吹田市)と里(能勢町)の連携による経済性を伴った持続的な活動を進めていくこととしています。

交流・連携のイメージ

事例:環境と経済が循環する事業を構想・実現する「流域人材」の育成(一般社団法人高梁(たかはし)川流域学校)

岡山県西部に位置する高梁(たかはし)川流域は、8世紀初頭から現在に至るまで「備中」というひとまとまりの地域として、そこに住む人々は、豊かな森からの資源を共有し、近世には高瀬船や街道を通じた物流で上下流が循環する森里川海のつながりを実感する暮らしがありました。しかしながら、1950年代前半の水島コンビナートの形成による下流域への人口集中により、森里川海のつながりで支えあう暮らしは失われ、森も輸入材との競争により放置されている場所が多くなってしまいました。そこで、かつての森里川海のつながりを再構築し、地域に循環する経済圏を構築するため、同県倉敷市を中核とする高梁川流域連携中枢都市圏事業を推進するなど、新見市、高梁市、総社市等の行政機関及び商工会議所、大学、企業、NPO法人、個人等の連携を図っています。そのような中で、1954年3月に倉敷絹織(現在のクラレ)の社長であった大原總一郎が提唱した流域連携組織「高梁川流域連盟」の理念を人材育成の面から推進する「高梁川流域学校」が2015年に設立され、森里川海のつながりの中で形成されてきた風土やしきたり、人間と自然との関係、流域に生きる者の志を学ぶ「備中志塾」を中心に、そのつながりや関係性の中で、地域資源を活用した新しい価値を生み出す「流域人材」を育成し、流域圏での事業の構想となりわいづくりを目指しています。年1回開催する「高梁川ミーティング」(参加者数約100名)では、様々な活動団体と協働していく「場」づくりや連携のスキームを協議するなどして、中間支援組織としての活動も行っています。さらに、2017年からは事業構想大学院大学等と連携して「事業構想塾」を実施しています。地域経営と地域協働の視点を持って、流域圏内の社会事業や地域プロジェクトの構想・実施・検証・見直しの手法等を習得するため、2019年3月時点で、延べ57人の方が学びました。

高梁川流域学校の活動は、流域圏のCATV、FM放送等から組織される「高梁川流域情報ネットワーク(TIN)」の協力によって、流域約9万世帯に情報が発信されています。流域圏という考え方や森里川海をつなぎ支え合う関係性、地域循環共生圏、SDGs等についての理解も進んでいます。若い世代でも流域の地域資源を活用した新事業に取り組む具体的な例も3件ありました。また、流域の衣食住イベント「高梁川マルシェ」(出店数約30店舗)を通して、オーガニックな衣食住を提案し、健康で環境負荷を抑制するライフスタイルを発信しており、毎年約2,000人を超える参加者があります。イベントを通して、商品の販売や新商品や新流通の開発も進んでいます。

高梁川、高梁川ミーティング2019、シシ肉缶詰

事例:再生可能エネルギーを通じた地域の交流(長野県、東京都世田谷区)

長野県では、2017年4月から既存のダムを活用した小水力発電所の運転を開始し、発電した電気を、東京都世田谷区の42か所の保育園など、大都市の消費者に供給しています。このうち長野の発電所を応援したいという消費者には、発電所に別途支払われる応援料というシステムを活用して、県産品をプレゼントするなど、再生可能エネルギーの発電施設が少ない大都市の自治体に販路を広げつつ、再生可能エネルギーを通じて、都市部に住む住民に長野県の魅力の発信や子供たちの教育のために使い、電気の売買だけでなく、地域間の交流をつくり出す取組となっています。

この取組では、同区の保育園にポスターを掲示することで、使用している電気が同県の再生可能エネルギー由来であることをアピールしました。その一方で、保育園の電気代は安くなり、発電所の職員が保育園を訪れて水力発電の仕組みを話したり、地元の木材で作られた木のおもちゃをプレゼントするなど、関わる人たちに嬉しさをもたらしています。

保育園に掲示されたポスター
発電所職員による保育園訪問の様子

コラム:脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーに関する最大規模の市町村連携

横浜市と、再生可能エネルギー資源を豊富に有する東北3県の12市町村(青森県横浜町、岩手県久慈市・二戸市・葛巻町・普代村・軽米町・野田村・九戸村・洋野町・一戸町、福島県会津若松市・郡山市)は、脱炭素社会の実現を目的とした再生可能エネルギーに関する連携協定を2019年2月に締結しました。本協定により、再生可能エネルギーの連携とともに、「地域循環共生圏」の理念に基づく相互の連携を強化し、脱炭素社会の実現を目指すこととしています。この連携は、同様の連携事例としては全国で最大規模のものです。

この協定では、横浜市が各地域と連携し、横浜市の年間電力消費量の4倍以上と推計されている連携自治体の再生可能エネルギーのポテンシャルの活用による「再生可能エネルギーの供給」と、住民・企業等の交流の活性化等の「地域活力の創出」に向けて、国等への政策提言を含む実施スキームを検討し、再生可能エネルギーを活用した都市と地方の地域循環共生圏の新たなモデルの構築を図ることとしています。

協定締結式
地域循環共生圏の新たなモデル構築

5 健康で心豊かな暮らしの実現に向けた取組

地域循環共生圏の創造に向けて、一人一人のライフスタイルをシフトしていくことも大切です。私たちの暮らしは、自然の恵み(生態系サービス)によって支えられています。きれいな空気、豊かな水、おいしい食べ物や資材をはじめ、防災・減災機能、生活文化やレクリエーション等、その種類は数え切れません。私たちの暮らしを支えるこれらの恵みは、自然のつながり、つまり「森」「里」「川」「海」が互いにつながることで生み出されます。しかし、行き過ぎた開発や利用・管理の不足、更には気候変動や人口減少・高齢化といった問題も相まって、森里川海とそのつながりの荒廃に拍車がかかり、私たちの暮らしにも影響が現れ始めています。そこで環境省では、2014年に「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトを立ち上げ、国民全体で「森里川海を豊かに保ち、その恵みを引き出すこと」、「一人一人が、森里川海の恵みを支える社会をつくること」を目指して、多様なステークホルダーと連携した様々な取組を進めています。

「つなげよう、支えよう森里川海」という名前には、「森里川海を保全し、それぞれをつなげる」という意味が込められていますが、森里川海だけではなく、それらに関わる「人」もつなげていくことが大切です。このプロジェクトを通じて、国民一人一人が自然の恵みを意識して自分ゴト化し、暮らしを通じて「地域循環共生圏」を支えるライフスタイルへの転換を図るべく取組を進めています。

6 地域におけるESG金融の取組

2018年1月、環境大臣のイニシアティブにより、金融業界のトッププレーヤーが一堂に会した「ESG金融懇談会」が開催され、同年7月に「ESG金融大国を目指して」と題する提言が取りまとめられました。提言では、間接金融においてもESG金融の取組としてESG融資(環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)といった要素を考慮する融資)を推進していくことが、持続可能な社会・経済づくりには不可欠であるとした上で、地域循環共生圏の創出に向け、持続可能な地域づくりへの資金の流れを太くしていかねばならないとの指摘がなされました。

中小企業が99%を占める日本においては、金融機関から融資を受ける間接金融による資金調達が圧倒的なウェイトを占めており、ESG金融の更なる拡大に当たっては、この間接金融における取組が鍵となります。地域循環共生圏の創出に向けては、事業性評価において環境要素を組み込むなどの、特に“E”に着目した地域金融の一層の促進が重要です。地域のヒト・モノ・カネが集まる地域金融機関には、地域の核として、関係者との幅広いネットワークを活かし、地域の特性に応じた適切な知見の提供や、地域のESG課題の掘り起こし、そして新たな事業構築への関与・協力等を行っていくことが期待されています。

企業側も、ESG投融資を呼び込むには、持続可能な社会づくりに向けた取組をどのように行っているかという情報を環境報告書や統合報告書等で開示し、投資家や金融機関と対話することが重要になります。

また、自治体には、地域の課題を掘り起こし、キャッシュフローを生み出す新たな取組創出に当たり金融機関等と連携することが求められます。

地域の中小企業の中長期的な企業価値向上、ひいては地域の持続可能性向上につながるESG金融の取組を後押しするため、環境省は、地域金融機関へのヒアリング・分析や、その結果を踏まえた「事例からみるESG地域金融の在り方」(2019年3月、ESG地域金融の先行事例調査に関する検討会取りまとめ)の策定等を通じた支援を行っています。また、ESG金融大国を目指し、ESG金融懇談会提言に基づく取組状況について、ESG金融ハイレベル・パネルにおいて定期的にフォローアップし、21世紀金融行動原則と協働して取りまとめたESG金融戦略(2019年3月決定)を踏まえ官民連携して我が国内における金融全体へESG要素の考慮を浸透させる取組を進めています。

ESG金融は、地域循環共生圏の創出、そして持続可能な社会へ移行していく上でのキードライバーであり、関係する投資家、金融機関、企業、地方自治体、国、それぞれがパートナーシップを構築しながら取り組むことが期待されています。