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わたしたちにできること 施策の展開

“国の取り組み(2) -海の生物多様性への影響要因の解明とその軽減策の実施-

(1)開発と保全との両立

開発事業を実施する際は、事前に環境への影響を調査・予測・評価し、適切な環境保全対策を行わなければなりません。計画の段階から生態系を考慮することも大切です。

最近では環境と開発の両立にむけた取り組みも行われていますが、生物多様性の保全かつ保護が必要な海域においては、保護区の設定等により事前に規制をかけることや、損なわれた生態系を回復させる自然再生の取組を推進することも重要です。

(2)環境汚染の軽減

陸からの環境汚染

開発事業を実施する際は、事前に環境への影響を調査・予測・評価し、適切な環境保全対策を行わなければなりません。計画の段階から生態系を考慮することも大切です。

最近では環境と開発の両立にむけた取り組みも行われていますが、生物多様性の保全かつ保護が必要な海域においては、保護区の設定等により事前に規制をかけることや、損なわれた生態系を回復させる自然再生の取組を推進することも重要です。

海での環境汚染

船舶からの油・有害化学物質・廃棄物の排出、廃棄物の投棄などについても規制が行われています。また、汚染事故に対する準備・対応体制の整備や、汚染事故により環境上著しい影響を受けやすい海岸等に関する情報を盛り込んだ情報図(脆弱沿岸海域図)の作成、更新などの取り組みも行われています。

(3)適切な漁業資源管理

漁業資源の適切な保存や管理については、漁具・漁法等の制限や規制区域・期間の設定、主要な魚種に対する漁獲可能量(TAC)等が設定されています。また、水産資源の持続可能な利用を目的として、漁業者による自主的な規制や管理が全国的に実施されており、これらの一部は海洋保護区に該当すると考えられます。

なお、沿岸域では、漁業資源を生みだす場所でもある藻場、干潟、サンゴ礁、砂堆などの生態系の減少や質的な劣化が問題となっています。持続可能な漁業を実現するためにも、藻場・干潟を含む漁場環境の保全・再生・創造が求められます。加えて、漁業者の減少・高齢化は沿岸の環境管理の活動を後退させる側面もあり、特に地理的に条件が不利な離島や半島などの地域における漁業の再生は重要な課題の一つです。

養殖場
養殖場
 

(4)外来種の駆除と抑制

外来種等については、以下のような対策を図ります。

国外由来の外来種

2004年に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」が成立し、特定外来生物の輸入規制や防除などを進めています。

要注意外来生物

「要注意外来生物」については、外来生物被害予防三原則に基づく適切な取扱いがされるよう、理解と協力を広く呼びかけています。

在来生物

在来生物でも本来の生息地以外の場所に放流すれば、外来生物と同様に生態系等に影響を及ぼす可能性が考えられます。増殖においては、放流などについて慎重な対応が求められます。

上海ガニ
特定外来生物に指定されているチュウゴクモクズガニ(上海ガニ)
 

(5)気候変動に対する対策と適応

地球温暖化に伴う海水温の上昇、海水面上昇や海流の変化、海洋酸性化や地球温暖化対策として試みられる地球環境の意図的な操作(Geo-engineering)等が生態系や生物資源に与える影響については、まだ不明な点が多いのが現状です。そのため、メカニズムの解明など国際的な研究開発の推進が急がれています。

また、気候変動に対する取り組みとして、世界各国が協力して温室効果ガスの削減に取り組むことが重要です。サンゴ礁などの沿岸や島嶼の生態系は、気候変動に特に大きな影響を受けると言われているため、重要な海域を選定した上で順応的な保全管理を推進していくことが重要です。

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