用語集

EEZ
排他的経済水域(Exclusive Economic Zone)とは、国連海洋法条約に定められた、領海の基線から200海里を越えない範囲で設定される水域。その沿岸国は、EEZの天然資源の探査や、開発、保全および管理などに関する権利を持っています。
一次生産者
生態系の基盤をなす生物群のこと。太陽エネルギーを生育するためのエネルギーに変換する植物などが一次生産者に位置づけられます。海の主な一次生産者の担い手は微少な植物プランクトンです。
栄養塩
植物プランクトンが増殖するうえで必要となる栄養物質(窒素、リン、ケイ素など)が、他の物質と結合して水に溶けているものの総称。海の生態系の基盤となす植物プランクトンにとっては、生育を支える重要な要素です。
エコシステムアプローチ
生態系全体を統括的に管理するための戦略のこと。
海洋管理協議会(MSC)
漁業認証と水産物エコラベル制度を通じ、持続可能な漁業を推奨している国際的な組織。認証漁業やラベル製品は欧米を中心に世界的に広まっています。
海洋保護区(MPA:Marine Protected Area)
海洋保護区は、海の生態系保全を目的とした自然保護区の一般的な呼称です。漁業で乱獲され、または生態系や生息環境の破壊等により絶滅が危惧されている海洋生物の保全、魚類の繁殖地などの地形の保全を目的に設けられます。
外来生物被害予防三原則
侵略的外来生物による被害を予防するための三つの原則:①入れない (悪影響を及ぼすかもしれない外来生物をむやみに日本に入れない)、②捨てない( 飼っている外来生物を野外に捨てない )、③拡げない(野外にすでにいる外来生物は他地域に拡げない)のこと。
漁獲可能量(TAC)
EEZなどにおいて採捕することができる海洋生物資源の種類ごとの年間の最高限度量。サンマ、スケトウダラなどの7種類について設定されています。
固有種
ある国やその地域にしか生息・生育・繁殖しない生物学上の種のこと。
混獲
漁獲対象種に混じって、対象外の魚や海獣種などが一緒に漁獲されること。
ゴーストフィッシング
放置された漁具が生きものに危害を与える現象のこと。
生活史
生きものの一生における生活のあり様を、環境とのかかわりからみた呼び方。
生態系サービス
わたしたちは生態系から、魚介類などの食料をはじめとする①供給サービス、気候の安定や水質の浄化などの②調整サービス、海水浴などのレクリエーションや精神的な恩恵などの③文化的サービス、、栄養塩の循環や光合成などの④基盤サービス、多くのサービスを得ています。このようなサービスは、まとめて生態系サービス(Ecosystem Services)と呼ばれています。
生物多様性基本法
生物多様性分野の基本法として2008年に制定された法律。生物の多様性の保全や持続可能な利用に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的としています。
生物多様性国家戦略2010
生物多様性基本法の成立を受けて2010年に閣議決定た、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国の基本計画。生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向けた取組等を視野に、内容の充実を図っています。
生物多様性条約
1980年代における世界規模の種の絶滅の進行や人類存続に欠かせない生物資源の損失等への危機感の高まりから、1992年に国連環境開発会議(地球サミット)に合わせて採択された条約。「生物多様性の保全」「その構成要素の持続可能な利用」「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分」を目的としています。
遡上
魚などが川の流れをさかのぼっていくこと。
マリン・エコラベル(MEL)ジャパン
大日本水産会による、水産資源と海にやさしい漁業を応援する制度。資源と生態系の保護に積極的に取組んでいる漁業を認証し、その製品に水産エコラベルをつけるというものです。
ミレニアム生態系評価(MA:Millennium Ecosystem Assessment)
国連の提唱によって2001年~2005年に行われた地球規模の生態系に関する環境アセスメント。生態系の変化がわたしたちの生活に与える影響を評価するため、それらの現状や今後の予測について分析が行われています。
乱獲
野生動物や自然環境にある植物などをむやみに大量に捕獲することで、自然に増える速度を超えて、過剰に獲り続けてしまうことを指します。
流域
ある河川が降水(雨水、雪融け水など)を集めながら流れる、その範囲・領域。
領海
1982年の海洋法に関する国際連合条約によって定められた、沿岸国の基線(潮位が略最低低潮面であるときに表される海岸線)から最大12海里(約22.2km)までの水域を指します。