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平成21年度第2回議事録要旨

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第2回環境省政策評価委員会 議事録要旨

1.日時: 平成21年8月19日(水)14:00〜16:00

2.場所: 経済産業省別館1020号会議室

3.出席者

−委員−

(委員長)

須藤 隆一

埼玉県環境科学国際センター総長

 

井村 秀文

名古屋大学大学院環境学研究科教授

 

河野 正男

中央大学経済学部教授

 

崎田 裕子

ジャーナリスト・環境カウンセラー

 

堤 惠美子

株式会社タケエイ 社長室上席顧問

 

藤井 絢子

特定非営利活動法人 菜の花プロジェクトネットワーク代表

 

三橋 規宏

千葉商科大学政策情報学部教授

 

鷲谷いづみ

東京大学大学院農学生命科学研究科教授

   

 

[欠席]

大塚 直

早稲田大学大学院法務研究科教授

細田 衛士

慶應義塾大学経済学部教授

山本 良一

東京大学生産技術研究所教授


−事務局(大臣官房)−

南川大臣官房長、小林大臣官房審議官、紀村総務課長、梶原会計課長、
奥主政策評価広報課長、他


−環境省各局部−

金丸企画課長(廃棄物・リサイクル対策部)、川上総務課長(総合環境政策局)、
弥元企画課長(環境保健部)、鎌形総務課長(地球環境局)、
庄子総務課長補佐(水・大気環境局)、笠井総務課長(自然環境局)

   

4.議題:

(1)平成20年度環境省政策評価書(事後評価)(案)について
(2)その他

5.配布資料

6.議事録要旨  

配布資料

議事録要旨

〔議事録要旨〕

(配布資料確認・各委員紹介)
(大臣官房長挨拶)
(須藤委員長挨拶)

(事務局より資料3「第1回政策評価委員会における主な意見及び方針」および資料4「政策評価シートの主な修正点」の説明)

【須藤委員長】
 前回、各委員から出されたたくさんの宿題に対して適切に回答いただいたのに加え、政策評価シートも修正されている。また、パブリックコメントについては残念ながら1件だったが、それについても適切な回答をいただいた。
  本日、大体のところは修正案を認めていただきたいが、新たな問題が出たら、それについては、ここでまた議論したい。
 三橋委員から順番に意見あるいは質問をお願いしたい。

【三橋委員】
 全体的には、これで結構である。
 資料3の8ページの私のコメントについて補足すると、ドイツの場合、個別の企業が環境税や地球温暖化について、どういう立場をとるのか、意見を表明せざるを得ないような環境にある。ダイムラーとしては、環境税などない方がいいと考えていても、市民がそれを必要としていて、また、行政も市民の声を反映するような環境が整っている場合、不買運動にあっては困るということもあって、ダイムラーであっても反対はできない。
  日本ではそうではない。日本の場合、経団連が代表して意見をとりまとめており、個々の企業は、企業名を出して本心を表明しなくてすむ。そういうことから取組が遅れてしまっている。これからは、日本においても、個々の企業が、地球温暖化や環境問題について、それぞれの考え方をはっきり言える状況をつくっていかないといけない。

【井村委員】
 資料3について、大体よろしいかと思う。
 いくつか意見を追加すると、エコ・アクション・ポイント、経済のグリーン化等が話題になっていて、経済効果もはっきりしているようなニュースが出ているが、政府の補助金など、政府の財源のみに頼っていると、いつか財源が尽きてつまずいてしまうという危険がある。今後、民間の経済活力につながるような工夫が必要になる。資料3には、対処方針として、“引き続き努力してまいりたい”とあるが、これは非常に重要な問題なので、しっかりやっていただきたい。
  経済の効率性の評価についても、制度設計は、一応、理論的な考えに従ってなされているが、しっかりとフォローしていく必要がある。環境省で政策評価に関する研究費が用意されていると聞いているので、そういうものを活用されたい。
  指標についても同様に、しっかりと検討していく必要がある。

【河野委員】
 閉鎖性水域の水質がよくならないことについて、生活環境項目の見直しをするということだが、進めていただきたい。
  地球温暖化防止対策について、対策には2つある。1つは予防対策で、多くがこの予防対策である。しかし、現状では、温暖化が進んでいる。もう1つは被害防止対策である。国立環境研究所では、地球温暖化の影響の研究をしているが、今後そういう研究をもっと進めるか、場合によっては、さらに被害防止対策をどこかに記しておくべきではないか。第三次環境基本計画に少し出ていたと思うが、環境政策の一環としてどこかに入れておくべきである。
 経済と環境の部分について、SRIやエコファンドが成長していないと言われているが、これは、多分、日本の個人資産のかなりの部分が預金や年金基金にまわっていて、個人がエコファンドに投資するという選択肢をなかなかとらないことによる。特に老人が多くの資産を保有しているが、老人の年々の所得が増えないとすると、今後もエコファンドはあまり大きくならないのではないか。そうすると、機関投資家にやってもらうしかない。また、個人預金の金融機関による運用においては、投資信託や融資でもう少し努力する必要がある。資料1「平成20年度施策に関する事後評価書(案)」75ページに利子補給と書いてあるが、これはそういうことを言っているのか。環境関連企業の環境活動に対する金融機関の融資をもっと積極的進めるような政策を打ち出してもよいのではないか。

【崎田委員】
 多く発言させていただいていて、個別に回答してもらっているので、大筋としては了承している。
  これまでの話を聞きながら、いくつか感じたことがある。
  まず、多くの国民は、(環境の)問題の重要性をもっときちんと認識すべきである。
  政策評価を行うと、無駄の削減につながる。そうすると、各省庁は、広報予算を見直すことが多いと認識している。必要な広報はちゃんとやってもらうことが大事である。地球温暖化や循環型社会づくりなど、テーマによっては、省庁をまたがった課題である。同じテーマについては、政府全体で、効率的に実施する方法も考えてもらいたい。
  産業界の方などと話をしていると、環境対策に真剣に取り組んだ場合、市民は、環境にかかるコスト負担に本当に納得するのか、という質問を受けることが大変多い。市民も状況をきちんと認識すれば、参加していくという環境を整えていかなくてはならない。
 アジアとの連携については、昨今、いろいろなテーマで出てきていて、重要なことだと認識している。アジアが環境対策を実施していく上で、日本が連携していくことは大事である。現在、水の分野だけでなく3R、地球温暖化など各分野で連携のフォーラムがたくさん立ち上がり始めているので、その状況をわかりやすく情報発信してほしい。これは、市民が自らの課題として考えながら連携していく、あるいは、連携をつなぐ人材の育成をどのようにしていくのか、という点からも重要である。

【堤委員】
 資料5「パブリックコメントの結果について」の「意見に対する考え方」について、風力発電から発生する騒音・低周波音は、今まで考えていたイメージと全く異なることが起こりうるという点では大きな問題だと思う。現状を伝えるデータは、資料5の「意見に対する考え方」に書かれているものだけなのか。
 「4.廃棄物・リサイクル対策の推進」の“循環資源の適正な3Rの推進”について気に掛かっていたので発言したい。評価では、概ねリサイクルの成果が得られたことがあげられ、今後の主な課題のところで、リデュース、リユースの取組を進める必要が書かれている。この点、今後、よほどリデュース、リユースに力を入れていかないといけないのではないだろうか。日本は、大量に使って大量にリサイクルすればよいという社会を望まないゆえに3Rを掲げたわけで、いかに省資源化を図るか、いかに発生抑制をするか、そういう点を大切に思っている。リデュースの対策は、特に生産者側の努力によることが大きく、具体的には、設計段階や生産管理等での工夫が必要になる。これらの努力の総称が3Rであって、3Rによって、廃棄物の量を減らそうとするなら、環境省マターだけで減らすのは難しく、他省庁の協力がなければ進められない。本気で取り組む為には、この点を、さらっと流さずに、リデュース、リユース、リサイクルの分野毎に、分けて対策を考えていくべきと思う。
 
【藤井委員】
 現在、行われている選挙活動の中で、党のマニフェストとは別に、県版マニフェストでは、琵琶湖については、各党がマニフェストをつくっている。琵琶湖に限らず、地球温暖化によって湖沼は大変な影響を受けている。琵琶湖を再生させるということは、世界の湖沼問題の改善につながる。資料3の5ページ目に、“環境省では、平成19年度から、滋賀県と連携して調査を実施しているところである”とあるが、琵琶湖の水質改善は、世界の湖を救うという想いで、腰を据えてやってもらいたい。
 地球温暖化について、どの省も太陽光発電については、大変な勢いで公表しているが、太陽熱の利用が図られていない。企業の生産状況にも関係あると思うが、企業もインセンティブがないとつくらない。参考資料1「温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョン」の斉藤大臣の資料に、80%削減を実現する社会の姿のビジョンBの一番頭のところに「太陽熱温水器」の記述がある。現在、我々も、地域の再生可能エネルギーの自給率をどう高めるかという検討の中で、バイオマスを含め地域の中で取り組んでいるところである。住民の中には、太陽熱にこだわりを持っている人も多い。環境教育に活用できるだけでなく、途上国においても利用可能な技術である。今までの議論の中で、なぜ、太陽熱というものがもう少し注目されてこなかったのか、と改めて感じている。地域で広げられるように、制度設計できるとよい。

【鷲谷委員】
 自身の意見に対して、対処できる、あるいは、対処できない旨の説明があり、納得した。評価書についても了承した。
 本日、委員から出された意見や、それに対する説明を聞いていて、少し気づいた点がある。資料3の7ページの河野委員の連携に関する意見について、生物多様性の保全、と書いてあるが、この内容は、生物多様性の保全と持続可能な利用に対する内容だと思う。生物多様性の保全についても持続可能な利用についても、どの省庁が取り組むものであっても、国家戦略の中で計画を立てて、進捗状況をチェックしていくことになる。あいまいに連携と書くのではなく、そうした枠組みがあって、内容についても進めていく条件があるということを記載した方がよい。
 パブリックコメントが1件のみというのは、残念である。環境省の政策に関心を持っている人は割合多いと思う。そういう方にパブリックコメントが実施されていることを周知するような工夫ができないものか。政策評価のパブリックコメントとしては、もう少し実質的な意見が出ているような状態がふさわしい。

【地球環境局】
 三橋委員からの意見で、個別企業としての取組が非常に重要だというお話があった。地球温暖化の分野を例に挙げると、個別企業は一生懸命やっているが、自主行動計画があり、業界単位で取り組んでいる場合が多いため、個別企業の取組が見えにくいと思う。しかし、個別の企業ががんばって報われるということになれば、個別企業の努力が見えてくるのではないか。最近のエピソードとしては、いろいろと評価はあるが、政府で排出量取引の試行事業を開始し、その中で、今まで業界単位で目標を立てていたのを、個別の企業に目標を立ててもらう仕組みを導入した。個別企業の取組が世の中に出て行って、それが社会に評価されるような仕組みを少しずつ動かしていくことが、答えの一つになるのではないかと思う。直接の答えになっていないかもしれないが、そういう意味で、我々も個別企業の取組を非常に重要視していきたい。
 河野委員からの意見で、地球温暖化に関する予防適用について、影響を緩和していくことは非常に大事だが、予防適用という観点は、国際的には非常に大きな課題となっている。特に、途上国のような脆弱な国々にとっては、実際に地球温暖化が進んでしまったときの適用をどのようにしていくのかが、非常に大きな課題となる。一方、わが国にとって、どこまで深刻かということをきちんと明らかにすべきである。そういう意味では、まず、地球温暖化の影響を明らかにするということが必要になるかと思う。国立環境研究所では、我が国への地球温暖化の影響ついてまとめて公表している。例えば、洪水の被害の程度、あるいは熱中症で人々がどのような危険にさらされるなど、様々な分野の影響を見ている。ただ、若干、つまみ食い的な感があり、今後、どういう影響が出るのかということをしっかりつかむことが重要だと考えている。また、適用ということになると、洪水被害の増加を想定した治水のあり方、農業被害に対して品種をどうしたらよいのかなど、全省的な課題にもなってくる。最近、各省共同で勉強をしてパンフレットを作成・公表しようなどという動きもでてきているが、そういった各省と連携して取り組んでいくことが大事だと考えている。
 藤井委員からの意見で、太陽熱についてのお話があった。ご指摘の通り、太陽光に目が向いているということはあるかと思う。太陽熱については、オイルショック後、日本の家庭に普及し、その後、少し頭打ちとなっている。京都議定書目標達成の計画の中で、太陽熱をどう見込んでいるかというと、太陽熱の利用は、増えるというよりは逆に減るようなトレンドが前提となっていた。ただ、斉藤環境大臣の2050年までに80%削減というビジョンは、できることは何でもやっていくという姿勢で、太陽光だけではなく、風力、小水力、太陽熱などあらゆるもののポテンシャルをみていくという発想に立って描かれている。2020年の中期目標についても、太陽熱も必要という認識に立っており、我々としても、その大切さを改めて認識し直し、将来ビジョンの中に入れ込んでいくというようなことが一つあるかと思う。その他、再生可能エネルギーにも種類はいろいろあるが、トータルでみて、どういったエネルギーをどのような場面で使うのがいいのか等についても勉強していかなければならない。
  アジアとの連携については、そうしたネットワークをどのように紹介していくかという点について、現在、具体的に回答を持ち合わせていないが、水、3R、地球温暖化等のテーマでアジアのネットワークが立ち上がりつつあるものについては、やはり市民の目線で見ることが大切だという趣旨だと思うので、これは、市民参画を進めて行く上でも大切であるという意見として受け止めた。今後、どのように見えるようにしていくのか、よく考えたい。

【水・大気環境局】
 湖沼の水質汚染について、河野委員と藤井委員から意見をいただいた。湖沼を始めとする閉鎖性水域については、現在、生活環境項目の見直しの作業を進めているところである。関連して、閉鎖性海域中長期ビジョンの検討を行っており、その中で、例えば底層DOや透明度といった新たな指標について、今年度中を目処に打ち出していきたい。
 琵琶湖を始めとする湖沼についてはまだまだ水質の改善が図られていない状況だと認識している。平成18年度に湖沼法の改正を行っており、再来年度にまた見直しの時期を迎える。見直しに際しては、生活環境項目の見直しの議論もあるが、湖沼の周辺の地域住民が望むような、湖沼の特性に応じた対策のあり方について検討していきたい。
  堤委員からいただいた風力発電の騒音・低周波音に関する質問について、パブリックコメントの回答で触れているように、昨年度から検討会を設けて、諸外国の制度や実態調査等を進めている。その結果は、今年の春に、諸外国の基準の状況ということで公表したところだが、今年度も引き続き、諸外国の制度の詳細について調査を行いたい。加えて、住民から苦情や問い合わせのある地方自治体に委託をし、騒音や低周波音の現地調査を実施したいと考えている。これらの結果を踏まえて今後の対応を検討していく。
 アジアとの連携、国際協力については、水・大気環境局では、アジア諸国や新興途上国の公害対策、地球温暖化対策の両方に効果があるコベネフィット・アプローチに力を入れて進めている。今後の施策においては、市民との連携という視点も含めて検討していきたい。

【自然環境局】
 鷲谷委員から的確な指摘をいただいた。生物多様性国家戦略に基づく計画策定、進捗状況のチェックに関連して、フォローアップの場として、前回、鷲谷委員にも加わっていただき、農林水産省へのヒアリングを実施する機会をつくった。(指摘に対する回答としては)このような場を通じて、進捗を把握し、検証を行っていくということではないかと思う。

【廃棄物・リサイクル部】
 3Rにおいて、リデュースは非常に取組が難しい分野である。リサイクルについてはいろいろな法律があり、一定の進捗があり、リサイクル率も上がってきており、リユースについても、業界団体が活発に活動を始めていて、リユース業界もこれからだろうという動きがある。リデュースについては、排出事業者と廃棄物処理業者が十分に連携をとって、できれば両者の間で排出抑制を進めてもらいたい。指摘を受けたように、各省とも話し合いながら、この問題に取り組んでいかなければならないと考えている。

【堤委員】
 リデュース、リユース、リサイクルそれぞれの、目標の設定一つとっても、しっかりと定量化しなければ、それぞれの定量的な結果も出てこない。そろそろ3Rをひとくくりにせず分けて対策を考えた方がよいのではないか。

【須藤委員長】
 堤委員の意見としては、政策評価書の中のこの書きぶりを修正して、と言っているわけではない。3Rをひとくくりで捉えるのではなく、今後、リデュースの部分の対策を重視していただけないか、という意見として受け止めてもらいたいということだと思う。

【堤委員】
 大量リサイクルのみ、がんばって取り組んでいるような図式になってしまいかねないと思い、あえて申し上げた。

【廃棄物・リサイクル部】
 その点については、所管の各省に働きかけていきたい。

【総合環境政策局】
 三橋委員からの個々の企業がもっとアピールすべきという意見について、やはりそれについてのインフラ整備が必要だと考えている。主に環境報告書の整備など、各企業が自主性を持ってアピールしやすい土壌づくりを心がけていきたい。
  井村委員からの官と民の役割分担に関する意見について、財政制約のある中で環境と経済の取組をどう進めていくかという指摘がメインだったと思う。官と民の役割分担については、我々は十分に考えていかなければならない。エコ・アクション・ポイント等のグリーン・ニューディール政策については、かなり思い切ったことをやって、国民の爆発的な支持を受けた。今回の取組で広がった裾野を、今後、どう広げていくか、また、その中で、官と民の役割分担をどう考えるのかについて精査していきたい。
  エコ・アクション・ポイントについては、かなり民間主導で進んでいるが、今後、そういう制度との整理をどうするか、また、グリーン・ニューディールをどのように進めるかは、重要な課題だと認識している。その中では、政府の財政資金だけではなく、民間資金をどのように誘導していくかが非常に重要である。河野委員の質問とも関係するが、1,400億円の個人金融資産をこの環境分野にどう流していくかも大変重要なポイントである。
 その他、諸々含めて、いただいた意見に対して、今年、環境経済研究で予算措置がある。現在、テーマの選定を行っているところで、まもなく公表する予定である。本年、環境と経済の研究に関していろいろなテーマを設定して、包括的な研究をかなり強力に実施する。今後、現在進行中のグリーン・ニューディールの政策をどうつなげていくかということも重要であり、引き続き推進していく。
 河野委員からのSRIやエコファンドなど、環境と金融の分野について、まだ十分に進んでいないのではないか、今後どのように推進していくのか、という意見に対して、我々も強い問題意識を持っている。先月末の中環審の総合政策部会で、新しく「環境と金融に関する専門委員会」を立ち上げるということになり、その中で検討していく。いくつか論点があるかと思うが、1つは、環境融資をどう進めていくか。平成20年ごろから、1%利子補給の制度を進めており、また、先の補正予算では3%を上限とした無利子貸付も景気対策を含めて行っている。これらをさらに進めていく。2つ目としては、エコファンド等の投資の分野については、補正予算で、エコファンドの組成にあたっての調査費等についても補助を行うような制度を立ち上げている。エコファンドは、他のファンドと差別化が難しく、今まで財政的な支援にも制約あった。今後、予算要求や税制要求の中でも引き続き取り上げ、進めていきたい。
 環境取組をどのようにマーケットに開示して、投資家にどう判断してもらうのかも重要である。問題意識を持っているという段階ではあるが、今後、環境報告書あるいは有価証券報告書にどう書くかなど、いろいろな論点があるかと思う。さきほどの専門委員会等の場でさらにつめていきたい。

【政策評価広報課長】
 崎田委員から、無駄の削減というのは、まず広報にしわ寄せが来るが、広報は非常に重要であるという意見をいただいた。まさにおっしゃる通りかと思う。広報といっても、単に冊子をつくってばらまく、というのではまずい。費用対効果をしっかり上げるようにして、広報関係の予算をしっかり確保していくのは当然だと思う。広報だから予算を削られるようなことにならないようにしたい。
 鷲谷委員からパブリックコメントに関する意見をいただいた。パブリックコメントについては、記者クラブに報道発表資料として発表するとともに、環境省ホームページ上に、「報道発表資料」のページや「パブリックコメント」のページを設置し、広報活動を行っている。ただし、環境省ホームページを見る人がどれぐらいいるのか、という問題がある。環境省ホームページをもっと魅力あるものにして、見る人を増やし、その結果として、パブリックコメント等のページに行き着く人が増えるようにがんばっていきたい。

【三橋委員】
 個別企業の問題については、例えば、最近のいろいろな全国紙を見ていると、環境広告がいっぱい出ている。我が社をアピールしたい、という動きは、経団連の動きとは別に、個別企業から出ている。そうした情報の収集は、国民にアピールする上でも意味があるのではないか。テレビ、新聞において、環境広告が全広告の中でどのぐらいのウエイトを占めているかという時系列データについては、電通が調査しているはずで、そこにデータを求めれば、すぐに出てくる。環境報告書というレベルではなくて、そういう動きをもっと拾い上げて、見せていくということが必要なのではないか。経団連の束縛というのではなく、個別企業の段階では、自社のプラスになるということであれば、何%削減という取組のアピールを行っている。そういう取組を拾い上げて、新しい動きとして見せていく方が重要だと感じている。
 平成20年度環境省政策評価書(事後評価)(案)とは別の話だが、環境省は、環境と経済の両立というのではなく、CO2の削減、あるいは化石燃料の消費を毎年削減していくことが高い経済成長を実現する、といったデカップリング政策を打ち出していくべきである。スウェーデン等では統計データから結果が出ているし、ヨーロッパでも、現在、ユーロに参加している12カ国について言えば、経済成長はプラスで、CO2排出量はマイナスというような結果が時系列的にも読み取れる。日本のように化石燃料にこだわっていては、1%の成長ができるかどうかわからないような状況である。中国、インドなど規制がない国においては、化石燃料の消費と成長が両立しうるが、先進国ではできなくなっている。環境省は、そういうことを積極的に言った方が説得力があるのではないか。

【小林審議官】
 三橋委員からの意見について、重要な指摘である。環境と経済は両立とか一体化してやっていくというようなことを言い続けて、世の中には半信半疑で聞いている人もあったかもしれないが、実態的にはほとんど表裏一体の関係になっている。我々の政策の中に織り込んで検討していきたい。
 重ねて意見をいただいた産業界、個別企業のコミュニケーションについては、ますます重要になる。機会や場を増やしていくということ、それが表に出てくることは、非常に重要なポイントだと思う。これについては、幅広い方策が考えられる。環境広告のコンテスト等も行われている。そういうものを総動員して、取組をより促進していくことが重要であると考えており、心がけていきたい。

【総務課長】
 環境と経済のデカップリングをそろそろ打ち出していくべきでは、という意見に対して、斉藤大臣が、強い思いで「緑の経済と社会の変革」を打ち出したのは、まさにそういうことである。大臣の言葉によると、今後は環境が経済を牽引する、ということで、そういった理念の部分は、既に打ち出しつつある。それをさらにより詳細なものにしていくというのが我々に与えられている課題であると理解している。
 個別企業に関する意見については、まさにおっしゃる通りである。我々としては、エコ・ファースト制度というスキームを持っている。環境面で優れた取組を行っている企業に約束をしてもらい全体を引っ張っていくというもので、これまで25、26社が認定されている。個別の企業との間でいろいろなことをやっていくという話に加えて、既にそうした制度もあるので、更に幅広く取組を進めていきたい。
 前に、政策評価広報課長を務めていたので、パブリックコメントが少ないということについて一言だけ弁解させていただくと、他省庁の例を見ても、政策評価については、パブリックコメントが来るというような例はあまりない。この数年で、委員の方々に非常に厳しい指摘を受けているので、政策評価書の精度はあがっていると思う。いろんなところで意見をいただくことは非常に重要だと思っており、また、広報の重要性もよく理解しているので、全体の流れの中でいろいろ工夫していきたい。

【会計課長】
 今日はあまり議論にならなかったが、予算を増やすべきか、あるいはもういいのではないかといった意見を随分いただいている。来年度予算要求については、今、どうするか、最終段階の詰めを行っている。各委員からいただいた意見も十分に参考にさせていただき、重点的に予算をつけるなど、そうしたことで反映させていきたい。

【藤井委員】
 今の予算について、10年間、企業の環境コンクールの審査委員をしている。日本経済新聞と環境省の共催で行われていたが、去年で終わってしまった。三橋委員の意見も踏まえて、環境省で民間企業を盛り上げるというようなことがあってもよいのではないかと思う。

【崎田委員】
 アジアとの連携について、意見を付け加えたい。3Rなど、いろんな分野で連携が進んでいる。そうした連携の動きの全体像が見えるようにして、その良さをみなで共有できるようにした方がよい。

(事務局より参考資料1「温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョン」、参考資料2「骨太2009 環境省関連箇所抜粋」、参考資料3「21世紀環境立国戦略関係平成21年度予算について」の説明)


【崎田委員】
 (参考資料1について)ビジョンの道筋を見せていくのは重要である。2つの道筋をみせていただいたが、どちらがいいというのではなく、地方、国によって取組を強く進めた方がいいこと等には違いがある。温暖化対策の中に地域の温暖化対策の基本計画をつくるという仕組みが入ってきたが、効果が出てくるのには時間がかかる。できるだけ早くこういう議論を今の都市改造の議論に巻き込み、また早めの対策を検討しながら進めていくべきではないか。

【政策評価広報課長】
 本日の各委員からの助言を踏まえて、須藤委員長と相談しながら、政策評価書(案)を整理し、公表したい。

【須藤委員長】
 基本的には、この内容になるが、事務局と相談しながら若干の字句の修正を行い、公表する。
 これをもって第2回政策評価委員会を終了とする。  

以上



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環境省大臣官房政策評価広報課