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平成16年度第3回議事要旨

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第3回環境省政策評価委員会 意見要旨

1.日時: 平成17年3月16日(水)10:00〜12:00

2.場所: 環境省 第一会議室

3.出席者

−委員−

(委員長)

市川 惇信

東京工業大学名誉教授

 

岡島 成行

(社)日本環境教育フォーラム理事長

 

河野 正男

中央大学経済学部教授

 

佐野 角夫

ソニー株式会社顧問

 

須藤 隆一

埼玉県環境科学国際センター総長

 

山本 良一

東京大学国際・産学共同研究センター教授

 

鷲谷 いづみ

東京大学大学院農学生命科学研究科教授

 

 

[欠席]

 

大塚 直

早稲田大学法学部教授

 

小林 珠江

株式会社西友 執行SVP ピープル担当

 

崎田 裕子

ジャーナリスト・環境カウンセラー

 

細田 衛士

慶應義塾大学経済学部長


−事務局(大臣官房)−

   西尾大臣官房長、寺田大臣官房審議官、石野秘書課長、白石総務課長、
山崎会計課長、笹谷政策評価広報課長、他


−環境省各部局−

廃棄物・リサイクル対策部、総合環境政策局、環境保健部
地球環境局、環境管理局、水環境部、自然環境局

   

4.議題:

(1)平成17年度の政策評価実施に向けた基本方針(案)について
(2)平成17年度環境省政策評価実施計画(案)について
(3)今後のスケジュール(案)について

5.議事概要  

議事概要

〔議事概要〕

(委員紹介・配布資料の確認)
(西尾大臣官房長挨拶)

市川委員長
 本日の委員会の検討事項は、来年度に向けてのお話なので、非常に重要なことに関するものばかりである。まず、議事(1)の平成17年度の政策評価実施に向けた基本方針(案)について、これを2つに分けて、まず、そのうちの新たな目標値等の設定・改定に関することについて事務局から説明いただきたい。

(事務局より資料1、添付資料1-1、添付資料1-2の説明)

市川委員長
 審議頂く前に、新たな目標値の設定・改定等に関しては、政策評価手法検討部会でご検討を頂いている。部会長として検討を進めていただいた須藤委員から、追加的なコメントをお願いしたい。

須藤委員
 手法検討部会には、私を含めて井村委員、竹内委員、古川委員の全員にご出席頂いた。3人の先生方は政策評価の専門家で、大変活発な議論がなされた。
 本委員会から部会に付託された仕事は、定量的な目標、指標の設定の検討ということで、原案に対して目標値、指標が施策の目的から妥当なものか、達成の可能なものなのかなどの視点から十分な検討を行った。そして、これまで目標値のなかった16施策のうち、検討中のものを含め8施策について、新たに目標値を設けることを了承した。これは前進と言えると思う。また、目標値が未設定の8施策についても、委員の中からはもう少しできるのではという意見もあったが、設定が難しいものもあり今後も引き続き検討を行って、できれば目標値、あるいは指標が設定できるようにという意見を申し上げた。
 その他、環境政策は環境省の施策だけではなくて他律的要因も多いので特殊性を考えるべきで、独自の評価が必要ではないかという意見もあった。また、環境基本計画に沿った施策体系の立て方は、必ずしも政策評価になじまないこともあるのではないかといった問題提起もあって、今後の政策評価の見直しをしていく際には参考にして欲しいという議論があった。
 簡単ではあるが、政策評価手法検討部会での意見を申し上げた。

市川委員長
 それでは、新たな目標値等の設定・改定について議論いただきたい。

佐野委員
 目標値を設定した8施策のうち、具体的なスケジュール・達成年度がないものがいくつかあるが、どのようになっているのか?それから、目標値を設定しなかった残りの8施策については、この方法では評価が適切ではないとのことなのか?それとも、今後は定性的傾向を示すような目標を掲げての評価対象になっていくのか?
 また、2点目として、戦略的環境アセスの推進は今回の設定対象となっているが、前提となる環境アセスの施策が入っていないのはなぜか?

河野委員
 目標は長期と短期があると思うが、改定案で長期の達成年度がないものが多いのは気になった。

鷲谷委員
 達成年度がないものは、目標に近づいていくために、より効果が上がるように役立つ指標が必要だと思うが、およその達成年度があった方が具体的な行動につながる目標値設定になるのではないか。

山本委員
 酸性雨・黄砂対策の目標について、国内サンプリング地点数は8地点で十分なのか?中国の亜硫酸ガスの年間排出量が2,800万トンに達しているが、これが日本にどのように影響しているのかが見えない。国民の安心につながるような分かりやすい目標値を設定し、達成していただきたい。オゾン層の破壊についてもそうで、日本の上空で10%くらいオゾン層が薄くなっているという話を聞いているが、この問題をどのように解決していくのかがつかめない。
 短期目標についてはこれでよいが、長期目標については、例えば気候変動は相当深刻であり、長期的な安心をこういう目標の立て方、行動計画で我々が得られるのかを心配している。

政策評価広報課長
 達成年度が中期や長期だったり、なかったりというのはそれぞれの政策の性格による。基本的には、条約や法令など既に政府が何らかの形でコミットしているものが、政策の目標・指標として最も妥当なものである。しかしながら、そういうものがなかなか見つからない場合には、法令に基づかないものも含めて、設定に努力をしている。そのため、目標値とそれぞれの政策の個性が出てきていると理解している。
 例えば、土壌汚染の指定解除率100%という目標は、解除は100%であるが、指定された案件によって達成年度が違うことが有り得るように思う。犬猫の引取数については、何年にどのくらい減少させるかは難しいと見て、今の減少傾向を維持しようという目標を示した。その他、南極や閉鎖性水域などは、法律に基づく執行をきっちり確保するというものなので、各年度100%を目指すという設定の仕方が妥当であろうという判断で、目標年次が書いていない。

総合環境政策局
 環境アセスメントの本体の制度については、そもそも法律の対象事業というものが既にルールとして決まっており、対象案件等については環境省の努力ではなく受動的に決まるものである。意見を言う数を増やすという性格のものでもなく、数値化はちょっと難しいとは思う。但し、制度の中で工夫できる点があれば意見を賜って、今後の目標・指標の設定に参考にさせていただきたい。

地球環境局
 山本先生のご指摘の酸性雨問題については、国内31ヶ所でモニタリングをしている。現時点では、日本の土壌特性などもあり、酸性雨による植生減退や土壌の酸性が認められるといった事態は幸いにも発生していない。ただ、日本だけでのモニタリングでは不十分なので、東アジア12か国において44か所で共通手法のモニタリングを行おうとしている。
 もう1点ご指摘のあったオゾン層については、日本ではフロン類の生産規制が進んでおり、今後は既存のものが大気中に放出しないように回収するのが課題となっている。家電、カーエアコンとそれぞれ別の法律ではあるが、フロン類の回収、破壊を義務付けているので、大気中に放出しないように進めていきたいと考えている。

市川委員長
 たしか黄砂に関しては、レーダーを中国へ持ち込んで調べているグループがあったと思うが、そのあたりは地球環境局で把握しているテリトリーなのか?

地球環境局
 黄砂については、例えばモンゴルなどでライダーの設置も検討している。具体的には、アジア開発銀行や地球環境ファシリティーの出資による黄砂プロジェクトにより、ライダー設置などについて作業を進めている。

岡島委員
 「自然とのふれあいの推進」のところで、意見を述べさせていただきたい。難しいものを取り上げた意欲は素晴らしい。ただ、この分野は、長期のような目標が出ていないと、その年、その年だけでやっていくには難しい性格のものだと思う。だから、ほかの目標値と比べると、今年はこれで仕方ないと思うが、エコツアー総覧の登録件数だけだと見劣りしてしまう。
 自然とのふれあいというのを、環境省としてはどの範囲ぐらいまでを指すのか、その基礎的な定義付けができていない中で目標値をつくろうとすると、その場その場の目標になってしまう。自然と言っても、理科的な楽しさを求めるものから、スポーツ的なものもあるし、田舎体験とか、農業とか、いろんなものがある。そういったものをどのように捉えて、環境省の自然ふれあいというのをどう位置付けるのか。
 他省庁との連携もあるし、ぜひ長期的なスタンスを定めて、ガイドの人数なり、それに向かった目標値を設定していく作業をしていただかないと、事実上、あまり意味のないものになるのではないかなという危惧がある。せっかく取り上げていただいたので、ぜひ、その辺のところも、今後、検討していただければと思う。

自然環境局
 大変重要で、かつ難しい問題提起を頂いたと思う。先生のご指導を踏まえながら、十分検討していきたいと思う。

市川委員長
 この問題は、政策的な面と社会における文化的な面の両方が絡んできて難しい話である。本当のアウトカムを見ようと思うと、文化に踏み込まないといけない。それは国民の仕事なのか、NPOの仕事なのかということも絡んでくると思う。ただ、今の指摘のようなことを緻密に展開していく必要があることは確かで、努力をしていただきたい。

須藤委員
 部会の方の審議について、もう少し付け加えさせていただきたい。政策評価の制度のもとでは、ちょっと適切な指標がない、または目標値を挙げざるを得なくても、できる限り定量化をしなければならない前提がある。ただ、環境省としては、特殊性、他律的なものを評価に入れなければならない。
 しかし、どうしても今の政策評価制度のもとではなじまないものもあるので、定性的な目標でもいいから挙げた方がいいというお願いをしてある。環境省も、他省庁と並んで同じようにやらなくてはならないので、仕方がない部分もあるというのが結論であった。

岡島委員
 自然とのふれあいは定量化が難しいが、いろいろ考えればガイドの数が何人いた方がいいなど、やれることはたくさんある。今年は難しいが、探せば目標値になるのはあるはずである。それで、最初にエコツアーの登録件数だけでは、受け身ではないかという意見を申し上げた。

河野委員
 すべての分野については難しいと思うが、自然とのふれあいのような施策については、目標値の設定案に対して、パブリックコメントができないか?エコツアーの登録件数というのは、ちょっと偏った指標かなと思う。例えば、河川や森林愛護会などの数をカウントする、あるいはビオトープを設定している学校数とかあると思うので、もう少し意見を聴取する機会があってもいいと思う。
 それから、土壌環境の保全、閉鎖性水域における水環境の保全では、目標値を100%と設定している。100に対して低ければ評価は悪くなると思うが、徐々に100に近づいていることをどのように評価するのか。100以外にはあり得ないとすると、評価が非常に難しくなると思うが、どのように考えているか?

政策評価広報課長
 パブリックコメントの件については、まずは検討部会で専門的に検証いただいて、また当委員会で助言をいただくということで対応してはいかがかと思っていた。環境省では、事後評価結果について概要版を作成しパブリックコメントにかけている。そのときに、指標を新たに設定した部分については、特記事項として記載するようにする。指標の設定の部分だけだとかなり専門性が高いと思うので、概要版に対するパブコメの局面で併せてできないか、と考えている。

自然環境局
 自然とのふれあいの部分については、今日の意見も踏まえて、知恵を出して検討してみたいと思う。

水環境部
 土壌汚染について、100%の目標値に近づくよう全力でやっていくが、トレンドとしてどんどん近づくかというと、様々な要因があって一概に言えない部分がある。例えば、農用地における土壌汚染のカドミウムの基準について、国際的な議論の中で基準強化の可能性がある。基準が強化された場合には、農用地の土壌汚染の地域が広がってしまう可能性がある。このような場合、一定の努力で目標値に近づいていたとしても、外的要因によって達成状況が下がってしまうという事態も有り得ると考えている。

市川委員長
 評価における客観性の確保には、数値化と多数の関与者のデータを使うという2通りに大きく分けられる。後者は、研究とか教育といった数値化が非常に難しい世界で多く使われている方法である。パブリックコメントという方法ではなく、その問題に対して適正と考えられる方々の意見を集め、その中で効果が上がっているという割合が増えているかという見方で、客観性確保も有り得ると思う。河野委員の指摘をもう少し広く捉えていただいて、客観性確保の1つの手段として今後も検討いただくとよろしいかと思う。
 目標値の設定・改定に関しては時間が尽きてきたので、次へ進めさせていただきたい。残りの部分は、一括して事務局の方からご説明いただきたい。

(事務局より資料2、添付資料2-1、添付資料2-2の説明)

市川委員長
 事前評価の試行期間延長と、政策評価の実施計画について、2つに分けて議論いただきたい。まず、試行期間延長の、仕組みのあり方について議論していただきたい。

河野委員
 事前評価の対象とする予算規模を2億円以上としたのは、やむを得ないと思う。評価ループについては、主管課・室が評価を行って、政策評価広報課にいくところでとどまっているが、これで評価が予算にどう反映されるのかよく分からない。将来的には、他の政策とも比較してプライオリティーを決めるなどに使えない限り、いいものだからとにかくやればいいという理由付けになってしまうように思う。

政策評価広報課長
 予算策定にはいろいろなステージがあって、まず原課・室から会計課の方に予算の要求手続きがある。しかしこれらは内部のプロセスであり、省としての意思形成過程である。これらを外部に公表している省庁はないし、省としての公表になじまないと思われる。むしろ、省として、概算要求を決定した後に、有効性等を検証の上で予算設計をしたことを国民に知らせるとともに、財務省にも検証の結果の予算であるという理由付けとして使う。これにより予算をつくる際の、いわば国民に対するアカウンタビリティーの確保という面と、透明性の確保もあると理解している。

河野委員
 この事前評価は、財務省向けの正当化、レジティメーションをしているのに過ぎないのではないか。もっと別の利用の仕方が想定できるのではないだろうか。

政策評価広報課長
 他の意義として、必要に応じて、事前評価の事後検証を行うということがあり得るだろう。何年間か経過した後に、この事前評価を経て始められた予算のうちには、当初の目的どおりになったという検証をする意味が出てくるものがある。もう1つの使い方はそこにあるように思う。

市川委員長
 事前評価の事後的な検証は、非常に大事だと思う。将来的には、それは1番大きな意味を持っており、外部へ出す時も効果がある。

佐野委員
 我が国は、環境と経済の両立ということでいろいろな施策を遂行しているが、あまりにも少ないスタッフと予算でやっている。事前評価を予算に反映させることもあることながら、我が国と欧米諸国の環境省の予算・人員等についてベンチマーキングはしているのか?

寺田審議官
 各国の環境行政機構の概要については、大体の概要は承知している。今後とも、組織の充実に努力しなくてはいけないと思っている。

佐野委員
 事前評価が環境省の予算獲得にプラスなら、早く導入すべきだと思う。

寺田審議官
 予算の配分や政策のプライオリティーは、環境基本計画の策定などで決まっていくものだと思う。事前評価は、財務省への正当化とともに国民への説明責任を果たすものだと思う。一般的には事前評価をした後の事後評価、代替案の比較が重要になってくると思うが、それが環境政策について妥当なのかどうかは、もう少し勉強しないといけないと思っている。

佐野委員
 環境政策で今最も重要なのはCO2削減である。国民の協力が必須であるが、理解を得るためには、製品の設計から家庭の使用まで包括したデータが必要になってくると思う。そのためには、家庭ベースでのCO2排出に関するデータをきっちりそろえる必要がある。私が事前評価をするならば、この「我が家の環境大臣事業」などは10億円でもいいと思うので、そういう発想を出せるならば事前評価も意義があるように思う。

市川委員長
 実施計画(案)に対するご意見をいただきたい。

山本委員
 環境リスクの管理と環境リスクコミュニケーションの推進について、どちらの方向に進もうとしているのか私にはよく分からない。ダイオキシン1つをとっても、短期的な毒性、長期的な毒性に関して様々な議論がある。PRTRデータも、企業データを工場ごとに修正した場合、周辺住民に対してどういう説明をするのか、方向性が見えてこない。

環境保健部
 化学物質のリスクコミュニケーションについては、@情報の整備、A場の提供、B対話の提供という3つの柱で、引き続き進めていきたい。化学物質は分かりにくいものなので、まず分かりやすい情報を整備する。そのために、PRTRの対象となっている物質の用途や毒性を化学物質ファクトとしてまとめたり、化学物質アドバイザーの方々に協力いただいて伝えていく。化学物質は非常に危ないという先入観だけが浸透しているが、そういうものを変えて、リスクと付き合うようなことを浸透させていければと思っている。

山本委員
 欧州並みのRoHS、REACHみたいな規制を日本が先駆けてやる気概があるか。環境産業育成のためには、リスクコミュニケーションについても戦略的に進め、欧米を上回る規模でこの問題に取り組んでいただきたい。

市川委員長
 これで今日の議題の(1)、(2)の議論を終了した。次は、議事(3)の今後のスケジュール(案)である。

(事務局より資料3について説明)

市川委員長
 本年の政策評価委員会は第3回目で、3回にわたって委員の皆様方のおかげで、非常に積極的且つ協力的な議事運営ができた。これで委員会を終えさせていただく。



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