課題名

A-4 紫外線の増加が人の健康に及ぼす影響に関する研究

課題代表者名

渡邊 昌 (国立がんセンター研究所がん情報研究部)

研究期間

平成5−7年度

合計予算額

 (7年度 15,194千円)

研究体制

(1) 紫外線が皮膚ガン発症の素過程に及ぼす影響に関する研究

(環境庁国立環境研究所、労働省産業医学総合研究所、京大)

(2) 紫外線の免疫機能低下(免疫毒性)の評価とそれに基づく感染症の疾病構造変化の予測に関する研究(厚生省国立予防衛生研究所、九大)

(3) 紫外線に対する防御機構の研究(労働省産業医学総合研究所)

(4) 紫外線の増加がヒトの白内障発症に及ぼす影響に関する研究

(厚生省国立がんセンター研究所、神戸大学、産業医大、秋田および長野農村医学研究所、沖縄県)

   紫外線による白内障発症に関する疫学的研究(国立環境研究所)

  紫外線照射による白内障発症機序の解明に関する実験的研究(国立環境研究所)

(5) 紫外線の人健康への総合的影響に関する分子疫学的研究(国立がんセンター)

(6) 紫外線による酸化的ストレスの生体影響評価に関する研究(国立環境研究所)

研究概要

 紫外線の健康影響は、皮膚がん、白内障、免疫能低下が挙げられるが、日本人における影響の大きさを測定するために数地域で検診を継続した。また、その発生の機序を細胞培養、動物実験で解明した。

研究成果

(1)紫外線照射による皮膚がん発症に関わる細胞機能の変異に関する研究として、UV-B照射によりマウス実験皮膚発癌を研究し、発癌過程で生じる染色体、遺伝子、及びタンパク質の変化等を研究した。また、UV-B照射による皮膚細胞の代謝障害に伴う蛋白変化の研究を皮膚由来培養細胞系を用いて紫外線に対する細胞の防御機構について解析し、障害をうける紫外線の波長とエネルギー量を特定した。

(2)紫外線の免疫機能低下(免疫毒性)の評価とそれに基づく感染症の疾病構造変化の予測に関する研究として、紫外線の免疫毒性(光毒性)をサイトカイン産生への影響等について研究しまた、マウスのヘルペスウイルス感染系を用いて感染症に及ぼす影響を測定した。

(3)紫外線による白内障発症に関する疫学的研究を、沖縄、金沢、北海道で現地調査をおこなった。地域別の白内障病型を解析した。また、紫外線照射による白内障発症機序の解明に関する実験的研究として、紫外線照射と水晶体混濁と各種生化学的パラメーターとの関係を、クリスタリンに対するモノクローナル抗体を使用してタンパタ質の変化を観察すると共に、遺伝子発現に関しても解析した。

(4)紫外線のヒト健康への総合的影響に関する分子疫学的研究としては、皮膚癌、皮膚前癌病変の有病率、罹患率を地域住民ベースで観察し、紫外線量との関係を明かにした。